2017年3月23日 (木)

【リポート】中之島アイランド・ミーティング

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中之島アイランド・ミーティング
~中之島・天満天神エリアのビジョンを語る~開催
2017年3月6日/大阪天満宮会館



 大阪ミナミの道頓堀は遊歩道も整備され、国内外の観光客で賑わっていますが、中之島エリアは水辺景観はよくなったものの、賑わいの点では今一つと言われています。
 そこで、平成OSAKA天の川伝説(※)の主催団体である「おしてるなにわ」と、関西・大阪21世紀協会が、中之島や天満天神地区の賑わい創出、水都大阪の魅力発信について考えるシンポジウムを開催しました。

 第1部では、大阪大学招聘教授で大阪天満宮文化研究所研究員の高島幸次先生が、「面白かった中之島の時代」と題して基調講演を行いました。
 豊臣秀吉の大坂城築城の経緯、京都も大坂へ引き取ろうとする「大坂首都構想」(“大阪都構想”ではないという注釈付き)の動き、そして、中之島・堂島エリア開発の舞台裏等々、まさに「面白い」歴史物語が満載。

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 実は秀吉は城下町を堺方面へ南に伸ばそうとしたが、1596年の慶長の大地震で堺の港が壊滅したため、南北構想を東西構想に切り替えて船場地区が開発されたとのこと。その次に開発されたのが中之島で、堂島は元禄元年にお茶屋、湯屋、芝居小屋のある新地としてつくられたが、後に米市場ができて商業の中心地となったそうです。
 さらに落語の『船弁慶』や『遊山船』から考証し、昔の中之島の地形や、庶民が川とともに生活していたことなども紹介されました。

 

第2部では、関西大学前学長の楠見晴重さん、大阪天満宮宮司の寺井種伯さん、ランドマークジャパン代表の原野芳弘さん、フジオフードシステム代表の藤尾政弘さん、そして、関西テレビアナウンサーの村西利恵さんが、中之島や天神橋に集客と活力をもたらす具体的なアイデアやビジョンについて議論しました。(司会進行:佐々木洋三・当協会専務理事)

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 寺井さんは、「大阪は京都や奈良よりはるか前に日本の都(難波宮)であり、海外との交流も盛んだった。今は企業の本社機能がどんどん東京へ流出しているが、そういう時代を経て今の大阪があることを大阪人はもっと自覚してほしい」と訴えました。

 中之島周辺の施設やイベントの運営に関わってきた原野さんは、「天満天神・中之島エリアは熊野古道や淀川水系の結節点でもある。様々なタウンマネジメントの活動を積み上げ、多様性のある水辺のシーンを開発していきたい。昔の賑わいを再現するのではなく、現代版の熊野古道の拠点を」と持論を展開しました。

 藤尾さんは、「まちには大きなシンボルが必要。シンガポールのマーライオンは高さ8mしかないが、多くの観光客が記念撮影をしている。マンハッタンの自由の女神は93m。我々は、中之島の剣先に、水の都のシンボルとして高さ100mぐらいの昇り龍をつくったら楽しいのではないか」と奇抜なアイデアを披露。

 そして、村西さんは「世界の人たちが旅行先を選ぶ際、美しい景色を写真に撮ってSNSに掲載することが1つの動機になっている」と指摘。「若者に人気のインスタグラムは、1人が大阪というハッシュタグをつけて写真を載せれば、世界中に発信される。そのためにも、いかにフォトジェニックなまちをつくるかがポイント」とし、自身も仕事を通じてニュースの発信に協力したいと述べました。

 夢物語のようでありながら、実現した姿が思い描けるような具体的な数々の提案に、各方面から参加された皆さんも、大きくうなずきながら熱心に聞き入っていました。

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【川嶋みほ子】

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2017年3月21日 (火)

【リポート】文化プログラムシンポジウム in 大阪

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【文化プログラムシンポジウム in 大阪】開催
2017年3月2日/大阪・国立文楽劇場


 2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、全国各地で多彩な文化プログラムが展開される中、関西・大阪が有する豊かな文化資源の魅力を国内外に発信するために何が重要かを考えることを目的に、文化庁と関西・大阪21世紀協会が共催で「文化プログラムシンポジウム in 大阪」を開催しました。

 冒頭、人形浄瑠璃文楽座より、豊竹呂勢太夫さん、鶴澤清介さんらによる演奏と桐竹勘十郎さん、吉田勘彌さんら人形で「国家安穏・五穀豊穣」を祈る演目「二人三番叟」を披露し、会場を盛り上げます。

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 基調講演は文化庁長官の宮田亮平さん。東京藝術大学学長から転身した宮田さんは、「文化庁の仕事は文化財の保護と活用だが、文化財は奥にしまっていては意味がない。文化庁はもっと変わらなければならない」と、思い切った発言で観客をひきつけます。
 庁内に文化経済戦略チームを設置したことを紹介し、「豊かな文化は継続的に経済を支えることができる。大企業の支援も大切だが、皆さんが1つ1つの文化を育てていくことがもっと重要だ。文化は一度途切れたら再生できないが、みんなが心の中に持っていたら続いていく。日本文化のすごさを世界に知らせたい」と述べました。

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 続いて、宮田長官のほか、サントリーホールディングス副会長の鳥井信吾さん、桝田酒造店代表の桝田隆一郎さん、アーツイニシアティヴトウキョウ理事の塩見有子さんが、佐々木洋三・当協会専務理事をモデレーターにパネルディスカッションを繰り広げました。

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 塩見さんは、一般には馴染みにくい現代アートの面白さを伝えるため、年齢を問わず誰でも学べる教育プログラムMADを立ち上げたことや、海外のアーティストが日本に滞在して日本文化を知るとともに日本人と交流する「アーティスト・イン・レジデンス」の仕組みについて述べ、企業の人にぜひアートを応援してほしいと訴えました。

 富山県で古い店舗の再生・活用などを通じて、新しいまちづくりに取り組む桝田さんは、「真面目なまちではアートは育たないが、大阪の人は人間力が強く、異質な存在を受け入れる土壌もある」と評価する一方で、「大阪はその能力を活かせていない。世界有数の伝統芸能や食文化を、海外にもっとわかりやすく伝える努力が必要」と辛口の発言。

 鳥井さんは、「松下幸之助翁以前は、経済人と文化人はイコールだった」とし、現在、関西財界人が若手噺家や文楽を継続的に支援している事例などを紹介。そして、「経済人が文化芸術に興味があると言うと、仕事をしていないと思われる」と冗談も交えながら、「世間に認められる実力のある会長・社長は文化活動をしていい。私自身も文化をキーワードに会社も変えていきたい」と語りました。

 最後に宮田長官は、「大阪では文化が身近にあることを感じた。『伝える』という字は『人が云う』と書く。肩の力を抜いて、相手のプライドも尊重しながら、世界に冠たる大阪の歴史・文化資源の魅力を2020年以降も発信していってほしい。そうすれば、日本人・大阪人が気づいていないものも含めて、さらに文化が育っていく」と締めくくりました。

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 エンディングには大阪出身の歌手・BOROさんが、不滅の名曲『大阪で生まれた女』と新曲『Color Color』を披露。明るく軽快な歌声に合わせ、ダンサーの子供たちやパネリストの皆さん、さらには観客の皆さんも一緒に「カラカラ」ダンスを踊り、3時間にわたるプログラムは成功裏に幕を閉じました。
(全体の司会はフリーアナウンサーの仲みゆきさん)


■文化プログラムシンポジウム in大阪
 http://ptix.co/2lAXHpp


【川嶋みほ子】

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2017年2月23日 (木)

【リポート】平成28年度大阪文化祭賞 贈呈式

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平成28年度大阪文化祭賞 贈呈式
2017年2月21日


 「大阪文化祭賞」の発表と贈呈式が、今年もリーガロイヤルNCB(大阪市北区中之島)で開催されました。この賞は、大阪府・大阪市と関西・大阪21世紀協会が「芸術文化活動の奨励と普及」と「大阪の文化振興の機運の醸成」を目的に、1年間に大阪府内で行われた公演の中から優れた成果をあげたものに対して贈呈しているもの。昭和38(1963)年の創設以来53回を重ね、これまで世界レベルの多くのアーティストたちを輩出してきました。
 関西の著名な芸術家・文化人・ジャーナリストらが審査員となり、独創性や企画・内容・技法の総合的評価を基準に、【第1部門】伝統芸能・邦舞・邦楽、【第2部門】現代演劇・大衆芸能、【第3部門】洋舞・洋楽について厳正な審査を行ない、各賞が決定されました。


◆最優秀賞に輝いたのは、
  ・小栗まち絵(バイオリニスト)
   いずみシンフォニエッタ大阪 第37回定期演奏会における演奏

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◆優秀賞は2組で、
  ・「妹背山婦女庭訓」出演者一同(人形浄瑠璃文楽座)
   四月文楽公演 通し狂言「妹背山婦女庭訓」の舞台成果

  ・MONO(劇団)
   「裸に勾玉」の舞台成果

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◆そして、奨励賞は、
  ・片岡松十郎・片岡千壽・片岡千次郎(歌舞伎俳優)
   第二回あべの歌舞伎「晴の会」における
   片岡松十郎・片岡千壽・片岡千次郎の成果

  ・大阪女優の会(演劇人の集まり)
   「あたしの話と、裸足のあたし」の舞台成果

  ・地主薫バレエ団 奥村唯(バレエダンサー)
   「人魚姫」の演技

  ・関西歌劇団
   関西歌劇団第98回定期公演「皇帝ティートの慈悲」の成果

の4組に贈られました。(敬称略)

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 最優秀賞を受賞した小栗さんは自身の演奏活動のほか、日本屈指の指導者としても著名で、今回の賞は「時代を問わない音楽の普遍的な美しさを呼び覚まし、深い感動をもたらした」などの点が評価されました。
 小栗さんは受賞を記念してバイオリン演奏を披露し、「賞をいただけて本当にうれしく、光栄です。大阪がこれからもどんどん、いい文化都市になってほしいと願っています」と喜びを語っていました。

178_2 受賞者と審査員の記念撮影


■公式サイト http://www.osaka-bunka.jp/bunkasai.html

【川嶋みほ子】

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2017年2月20日 (月)

【リポート】「アート・アセンブリー」

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ART ASSEMBLY 【愛の表現者たち】開催
2017年2月8日/クラブ関西



 関西・大阪を拠点に活躍する優れたアーティストを各界のリーダーや報道関係者に紹介する【アート・アセンブリー】(公益財団法人 関西・大阪21世紀協会主催)が、2月8日、関西経済人の社交場、クラブ関西(大阪市北区堂島浜)で開催されました。
 通算8回目となる今回は、平成27年度「大阪文化祭賞」受賞者の中から、歌舞伎俳優の中村壱太郎(かずたろう)さんと、佐々木美智子バレエ団の皆さんをお迎えしました。


 冒頭、当協会の堀井良殷理事長は、「日頃は1,000人単位の観客の前で演じている方々だが、本日は会場のクラブ関西さまにもご協力いただき、70人のお客さまのために演じていただくことにこだわった。間近で見ることで演じ手の息遣いが聞こえる」と趣旨を述べました。そして、佐々木洋三専務理事からは、「長唄や地唄舞は昔の町人の旦那のたしなみだったが、いまはそのよすがさえ感じられないのが寂しい。きょうは、バレエの曲はお客さまに喜んでいただくため、ポピュラーなものを選んでいただいた」と紹介がありました。


 まず中村壱太郎さんが、「大阪文化祭賞」受賞のお礼と、新春のお祝いの意味を込めて長唄舞踊「七福神」を披露しました。つづいて、佐々木美智子バレエ団の皆さんが次々と登場し、「Anime de Quatre Mains」「シルビア」「海賊」「ドン・キホーテ」などの音楽に乗せて、舞台狭しとプチガラコンサートを繰り広げました。

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 つづいては、中村壱太郎さんと佐々木美智子さんによる対談「West meets East~愛の表現者たち」。壱太郎さんは「400年続いてきた日本の伝統芸能である歌舞伎の魅力の1つは芸の継承。同様に長い歴史のあるバレエにもとても興味がある」と、東西の伝統芸能の共通点について述べました。佐々木さんも、「歌舞伎、日本舞踊、バレエ、さらに武道も、まったく同じ基本は、体幹が揺るがないこと」と続けました。


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 一方、東西の舞踊には違いも多いようです。1つは足の運び方。「歌舞伎や日本舞踊はすり足なのに対して、バレエはつま先で立つ」と佐々木さん。そして、観客にとっても一目瞭然な違いが、和の芸は狭い空間での静かな動きで「間」を見せるのに対して、バレエは舞台の上手から下手まで使って、大きく激しく動き回ることだということでした。


 最後に、対談のテーマである「愛の表現」について、壱太郎さんは「歌舞伎では、心中ものなど、愛し合う男女が死んで一緒になることで幸せになる」、佐々木さんは「バレエには歌やせりふがないので、マイム(所作)で愛など様々な感情を表現する」と東西の文化の違いを分かりやすく解説。お客様たちもお2人のテンポのよいやり取りに、笑ったりうなずいたり、すっかり引き込まれた様子で、惜しみない拍手を送っていました。


 関西・大阪21世紀協会の佐々木専務理事は、「アート・アセンブリーでは公演でもそのあとの交流会でも、演じる側と観る側が直接親交を深めることができるのが魅力。大阪が大切にしてきた文化を今後もさらに多くの方々にご支援していただけることが切なる願いです」と語っていました。


【川嶋みほ子】

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2017年2月14日 (火)

【ご案内】非公開文化財の特別公開(3月8日~13日)

 市指定文化財「三津寺仏像群」の特別公開について

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 御堂筋沿いの賑やかな町中に寺地を構える三津寺は、奈良時代の建立と伝える市内有数の密教寺院です。度重なる火災を逃れて、平安時代、900年代後半に制作がさかのぼる、木造地蔵菩薩立像など、大阪市指定文化財の12躯をはじめ、大阪市域随一の古仏をまとまって伝えています。
 昨年の初公開に引き続き、再度、特別に公開していただけることになりました。このうち4躯は、先頃保存修理を行ったばかりです。お色直しの修復が完了したばかりの、造立当初の姿を、今回はじめてご覧いただくことができます。



【期 間】平成29年3月8日(水)~13日(月)

【時 間】午後1時~午後4時(但し、入場は午後3時30分まで)

    ※ 各日午後2時30分より、大阪市学芸員による解説を予定しています。

【場 所】大阪市中央区心斎橋筋2丁目 宗教法人 三津寺

    ※ 地下鉄・近鉄線なんば駅下車 14番出口から、北に徒歩3分
      (会場への地図は、下記の関連リンク先から、チラシをご参照下さい)

【観覧料】資料代 100円

    ※ 学生は無料(大学生・専門学校含む)
    ※ 事前の申し込み等は不要です。
      (但し、観覧者の人数によって入場をお待ち頂く場合がございます)

【主 催】大阪市教育委員会、大阪密教美術保存会


【共 催】公益財団法人 関西・大阪21世紀協会、朝日新聞社


【問い合わせ先】大阪市教育委員会文化財保護課

           TEL:06-6208-9168
           FAX:06-6201-5759
           MAIL:ua0010@city.osaka.lg.jp

【URL】http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000388061.html




■「大阪の歴史再発見」非公開文化財の特別公開■
 大阪市教育委員会では、大阪市内に所在するさまざまな文化財について、みなさまにより理解を深めていただくために、「大阪の歴史再発見」と題した、文化財に関連する見学会・講演会などを実施しています。今回みなさまにご案内させていただくのは、通常は公開されていない文化財を、期間を限定して特別に公開を実施するものです。

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2017年2月 7日 (火)

【リポート】「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」

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厄を払い 春の訪れと招福を祈願
「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」2017 年2月3日



 大阪キタの早春の風物詩【堂島薬師堂節分お水汲み祭り】が、今年も北新地界隈を舞台に、賑やかに華やかに開催されました。

 このお祭りは、関西経済同友会の提言を受けて、大阪キタの活性化と水都大阪の再生を趣旨に企画した「堂島薬師堂お水汲み儀式」と、古くから地元で続いてきた節分行事を融合して平成16年に始まり、今年で14回目となりました。関西・大阪21世紀協会の堀井良殷理事長は、同祭り実行委員会の共同実行委員長を務めています。

Photo_2  堂島薬師堂において節分法要

 まず、堂島薬師堂で奈良薬師寺の村上太胤管主らによる節分法要が行われ、薬師寺で祈祷された「お香水」を汲む「お水汲み」が始まります。つづいて、福男・山伏・鬼・豆持ち・ドラ持ちなど1隊7~8名で構成する「鬼追い隊」が薬師堂から堂島・曽根崎新地へ繰り出し、飲食店や企業を訪問して1年の厄払いと招福祈願を行ないます。

Photo_3  出発前に気合を入れる鬼さんたち

Photo_4  西梅田駅に鬼あらわる

 堂島アバンザの特設舞台は、村上管主、山田法胤長老を始めとする薬師寺の僧侶の皆さんによる「声明」(しょうみょう)で幕を開けます。声明は日本の音楽の原点といわれ、厄除け、招福、無病息災、家内安全、学業・職業成就などを盛り込んで歌い上げる僧侶たちの朗々とした声は、普通は薬師寺金堂内でしか聞くことができないものです。

Photo_5  薬師寺僧侶たちによる声明

 引きつづき、北新地の芸妓さんたちが「日の春 三番叟」や「キタ新地音頭」など艶やかな舞いを奉納し、いよいよお祭りのクライマックス、堂島薬師堂に祀られる弁財天の化身の「龍」の巡行です。薬師寺の僧侶、北新地クイーン、「お化け」姿の新地の女性たち、鬼追い隊など約150名の大行列が、船大工通り、上通り、本通り、永楽通りなど北新地のメインストリートを練り歩きます。

Photo_6  花魁姿の北新地クイーン

Photo_7  弁財天の化身「龍」の登場

 かくして、地元あげて行われる厳粛かつ楽しい一連の催しは、関西・大阪の財界人・経済人、文化人、そして見物に訪れた大勢の善男善女の熱気で、寒さも忘れるほど大いに盛り上がりました。
 丁酉(ひのととり)の2017年は、新しい米大統領の政策が世界を揺るがせたり、国内外で様々な事件や事故も相次いだり、先行き不透明な幕開けとなりましたが、これほど多くの皆さんが一堂に会し、共に招福を祈願されている様子を見るにつけ、心地よい季節がすぐそこまで来ていることが実感できる一日となりました。


■主催:堂島薬師堂節分お水汲み祭り実行委員会
http://www.kita-shinchi.org


堂島薬師堂
http://www.avanza.co.jp/avanza/bil_gaiyou/dojima_yakushi.html
推古天皇元年(593年)、勅命により聖徳太子が最初の官寺となる四天王寺を造営した際、資材の運搬船が嵐で難破し、資材が漂着した洲に「堂宇」を建てたと伝えられ、「なにわの守護」として古くから信仰を集めてきた。「堂島」の地名はこのお堂が由来。

節分お化け
堂島・北新地に伝わる花街の風習。節分の日の夜、女性たちが白塗りや仮装をして、鬼を遣り過すことからできた伝統行事。


【川嶋みほ子】

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2017年2月 2日 (木)

【ご案内】文化プログラムシンポジウム in 大阪(3月2日)

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 文化庁主催の本シンポジウムは、地域の文化資源を再発見し、その魅力を国内外に発信する多様な文化プログラム実施に向けた機運の醸成と、2020年以降のレガシーとしての新たな文化振興モデル構築に向けた端緒となることを目的としています。
 オープニングには、桐竹勘十郎さん、吉田勘彌さん演ずる文楽「二人三番叟」をご覧頂き、文化庁長官の宮田亮平さんの基調講演、「文化資源の産業化と世界発信」について4人のパネリスト(文化庁長官 宮田亮平さん、サントリーホールディングス代表取締役副会長 鳥井信吾さん、桝田酒造店代表取締役 桝田隆一郎さん、特定非営利活動法人アーツイニシアティブトウキョウ[AIT/エイト]理事長 塩見有子さん)と当協会専務理事 佐々木洋三の進行役でシンポジウムを予定しています。
 クロージングには、シンガーソングライター
のBOROさんらがオリンピックをテーマにした
楽曲を披露します。




【日時】2017年3月2日(木) 14時~17時

【場所】国立文楽劇場(大阪市中央区日本橋1-12-10)


【内容】◆オープニングアクト   14時~

      人形浄瑠璃文楽「二人三番叟」

     ◆主催者挨拶と基調講演   14時15分~

      文化庁長官 宮田亮平

     【休憩 14時45分~(15分間)】


     ◆シンポジウム   15時~

      「2020年以降の新たな文化振興モデル構築に向けて
       ~文化資源の産業化と世界発信~」

     ◆クロージングパフォーマンス   16時30分~17時

      BOROほか

【参加費】無料(要申込)


【申込方法】
FAXメールのいずれかの方法にてお申し込み下さい。
        ( 詳細はこちら )


        FAX:06-7507-5945
        E-mail:bunpro@osaka21.or.jp

【問い合わせ先】当協会 文化事業部(10時~17時 土・日・祝日を除く)

           TEL:06-7507-2006
           FAX:06-7507-5945
           E-mail:bunpro@osaka21.or.jp

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2017年1月20日 (金)

【リポート】今宮戎神社 十日戎「宝恵駕行列」

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恒例の今宮戎神社「宝恵駕行列」で商売繁盛!
2017年1月10日/道頓堀~今宮戎神社


大阪の新春を彩る伝統行事「えべっさん」(十日戎/1月9日~11日)は、言わずと知れた、七福神の一神である「戎さま」に、その年の商売繁盛を祈願するお祭り。
関西・大阪21世紀協会の新年の事業も、10日の今宮戎神社「宝恵駕(ほえかご)行列」で幕を開けました。


宝恵駕行列は、江戸時代に今宮戎神社・十日戎の奉納行事として始まったもの。その後も、大阪ミナミの旦那衆や芸妓さんたちが、花街の商売繁盛を戎さまにお参りするための行事として継承されてきました。現在は経済界や地元商店街などが協力して開催しています。


まずは、道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」で祈祷と出発式。
続いて、佳世子さん(芸妓)、中村鴈治郎さん、片岡孝太郎さん、山村友五郎さん、桂文枝さん、高世麻央さん(OSK)、NHK朝ドラ「べっぴんさん」に出演中の三倉茉奈さん、そして福娘さんら豪華メンバーが「一挺駕」に分乗し、振興会や関係者を含め総勢500名余りで、宗右衛門町から今宮戎まで約2㎞の道程を練り歩きました。


太鼓の小気味よい囃子と、行列の「宝恵駕、宝恵駕」というパワフルな掛け声に、通行人の皆さんも笑顔で手を振ったり、カメラを向けたりして楽しんでおられました。


関西・大阪21世紀協会の「上方文化芸能運営委員会」は、この伝統行事の保存・継承に協力するため、宝恵駕振興会実行委員会の役員として実施運営に携わっています。


協会ではこの行事に引き続き、14回目となる2月3日の「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」(実行委員会役員・後援)を始めとして、今年も年間を通じて関西・大阪の文化力向上と社会の活性化に資する様々な事業を展開していく予定です。


「丁酉」の年は、漢字の意味からすると、新しい力が芽を出そうとする(丁)一方で、旧来の力も熟成し(酉)、双方の力によってまた新たなものが生みだされる年とも解釈できます。
2017年が皆様にとって明るい良い年になりますよう、心からお祈りしています。
本年も関西・大阪21世紀協会をご支援・ご指導いただきますよう、どうぞよろしくお願い申しあげます。


【川嶋みほ子】


Photo_2  出発式に臨む福娘の皆さん


Photo_3  カメラを向ける見物客も


Photo_4  一挺駕に乗る佳世子さん


Photo_5  艶やかな芸妓さんたち


Photo_6  都心を練り歩く長い行列

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2016年12月 8日 (木)

【ご報告】水都を寿ぐ【交響楽 能】

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東西の文化の夢の共演
水都を寿ぐ【交響楽 能】East meets West開催(11月21日・NHKホール)
 大阪版文化プログラム“大阪城フェスティバル2020”を目指して

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 関西・大阪21世紀協会は、大阪城とその周辺の歴史的遺産を活用し、オペラや舞踏、コンサートなど様々なアーティストに発表の場を提供する「大阪城フェスティバル構想」に向けた社会実験を続けています。

 今回実現したのは、関西フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ギオルギ・バブアゼ)の演奏と、日本が誇る伝統芸能「能」のコラボレーション。「水都を寿ぐ【交響楽 能】East meets West」と銘打ったこの事業は、協会が2020年東京オリンピック・パラリンピックの「大阪版文化プログラム」を推進していくためのキックオフイベントでもあります。

 冒頭、関西フィルの皆さんとともに登場したのは、世界的ヴァイオリニストで同楽団の音楽監督も務めるオーギュスタン・デュメイさん。美しく研ぎ澄まされたヴァイオリンの音色に、NHK大阪ホールの1階・2階席を埋め尽くした1,300人を超えるお客様たちは、息が止まるほど引き込まれている様子でした。

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 村上麻理絵さんのコンテンポラリーダンスに続き、山本能楽堂制作の新作能【水の輪】が上演されました。能は「せりふ」が難解だと敬遠される方もおられますが、この演目には世代を超えてどなたでも楽しめる様々な工夫がなされています。さらに、この日は特別に映画やアニメ、ゲームやナレーションで人気の声優、山口由里子さんが、場面ごとにストーリーを解り易く解説してくださいました。

あらすじは…

今は昔、京都からなにわ見物に向かう旅人が、淀川上流の山崎で女性が掉さす川船に乗せてもらいます。なにわに着き、女性が浮かない顔をしているので理由を尋ねると、「淀川の水が以前の美しさを失ったので、昔の清い流れを取り戻してほしい」と言い残し、女性は水の中に消えていきます。

呆然としている旅人に、一羽の水鳥が「それは川の水神様だ」と告げ、仲間の水鳥たちと協力して川の掃除を始めます。やがて、綺麗になった川に龍神様と水神様が現れてなにわの繁栄を寿ぎ、めでたし、めでたし…。

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 能に並行して、関西フィルの皆さんが、あるときは静かに、あるときは荘厳に、「サラバンド」や「モルダウ」といったポピュラーな曲目を奏でます。そして、川が綺麗になった場面では、「美しく青きドナウ」。まさに交響楽と能が見事に融合した感動の共演です。

 ひときわ会場をわかせたのは、水鳥に扮する16人の子どもたちの元気でユーモラスな名演技です。シテ方の「どこから来たのか?」という問いに、それぞれが中国、ボリビア、ロシア、インド、タイなどの母国語で答えるサプライズ。ブルガリアの有名女優さんも友情出演されていたそうですが、最後はなぜか全員が大阪弁で、「なんでや、なんでや、なんでやねん!」

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 フィナーレの「ラデッキー行進曲」で手拍子をおくるお客様は、みんなこの上ない笑顔です。公演中に次々と映し出される水都の映像も効果を添え、東西の文化の融合が醸し出すエネルギーの広がりを肌で感じたのはもちろん、川の水とともに、自分の精神まで浄化されたような感覚になる、心豊かなひとときでした。

 関西・大阪21世紀協会では、これから2020年、そしてさらなる未来を視野に、より新しい、より関西・大阪の価値向上に資する文化プログラムを、これからも次々と展開していく予定です。

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主 催 : 公益財団法人 関西・大阪21世紀協会


【川嶋みほ子】

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2016年11月25日 (金)

【リポート】南大阪・上町台地フォーラム

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平成28年度 南大阪・上町台地フォーラム
【真田幸村の足跡を訪ねる】


●第1回:九度山(和歌山県九度山町/10月14日)
●第2回:玉造から大阪歴史博物館(大阪市天王寺区・中央区/10月26日)


 関西・大阪21世紀協会は、関西・大阪の文化力向上と都市の活性化に資する諸事業の1つとして、南大阪・上町台地エリアを中心に歴史的資産や伝承、その魅力を探り、広く発信することを趣旨に「南大阪・上町台地フォーラム」を実施しています。

 平成28年度は、【真田幸村の足跡を訪ねる】をテーマに2回のまち歩きを行いました。

 第1回(10月14日)は、真田信繁(のちに幸村)が関ヶ原の合戦(1600年)の後、徳川家康から蟄居(ちっきょ)を命じられた和歌山県九度山町を訪ね、3班に分かれて九度山の語り部ボランティアさんのご案内で、真田庵(善名称院)、真田古墳、真田宝物資料館などを巡りました。道の駅「柿の郷くどやま」で解散後も、参加者の皆さんは柿などの買い物、慈尊院や丹生官省符神社等を満喫されました。


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 10月26日に行われた第2回では、イケメン講談師の旭堂南青さんが案内役となり、玉造の三光神社(天王寺区)から心眼寺(同)、玉造稲荷神社(中央区)、そしてNHK大阪放送局のある大阪歴史博物館(同)まで、大坂の陣(1614・15年)で激戦地となった真田山界隈を総勢20名で散策しました。

 三光神社の境内では、凛々しい甲冑姿の真田幸村公之像が出迎えてくれました。大坂冬の陣の際、守りが手薄な大坂城南側へ徳川方が進攻することを察知した幸村は、わずか1カ月の突貫工事で城南に砦(真田丸)を築き、そこから大坂城に通じる地下の岩窟を掘ったと言い伝えられています。その抜け穴の跡は、今もこの神社に残されています。


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 次に、大坂の陣の戦死者をまつる善福寺(通称どんどろ大師)に立ち寄りました。ここは、浄瑠璃『傾城阿波鳴門(けいせいあわのなると)』の中、「して、かか様の名は?」「あい、お弓と申します~」の名場面、お鶴とその母・お弓の再会の一節の舞台にもなったお寺。南青さんの名調子の解説に参加者はすっかり引き込まれていきました。


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 そこから数百メートルの坂道をゆるゆる登って、真田幸村とその子・大助の冥福を祈るため、元和8年(1622)に建てられたという心願寺に到着。境内には、幸村が開運の祈願をしたと伝わる「まんなおし地蔵尊」があり、門扉には真田六文銭の紋があしらわれています。


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 現在、心眼寺の西側に建つ大阪明星学院こそが、真田丸の主郭のあった場所だそうです。参加者の中に、この界隈にやけに詳しい人がいると思ったら、何を隠そう同校出身とのこと。ごく近隣の高校を卒業した私としては、ここで差をつけられて、羨ましいやら悔しいやら…。

 次なる玉造稲荷神社は、豊臣時代には大坂城の守護神で、秀吉、秀頼、淀殿らが千利休のお点前で茶会をしたという由緒ある神社。境内末社や豊臣秀頼公像、千利休居士顕彰碑、伊勢参り起点碑などを思い思いに見た後、大阪歴史博物館に向かいました。


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 博物館では、NHK大河ドラマ特別展「真田丸」を観覧しました。幸村の足跡をたどるまち歩きの終着点で、ゆかりの国宝や重要文化財、書簡や絵図も含む貴重な史料を目の当たりにして、この界隈の歴史の豊かさとともに、真田六文銭に象徴されるごとく、命をかけて戦った武士の覚悟など、当時の人々の生き様の一部を垣間見たような気がしました。

 ところで、南青さんのお陰で、私が長年抱いてきた2つの疑問が一気に解けたこともこの日の大きな収穫でした。


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【Q1】玉造稲荷の社名碑には何故、2文字だけ「つぎあて」がしてあるの?
【A1】近代社格の「府社」が戦後廃止となった際、「府社」の字の上に「玉造」の字を貼りつけて訂正したから。
【Q2】「まんが悪い」という古い大阪弁の「まん」とは何のこと?
【A2】「間が悪い」の「間」がなまったもの。

 なるほど…講談師の旭堂南青さんが、大阪の文化・歴史の細部にも通じた好男子であることも再認識できた楽しいまち歩きでした。


お問合せは、関西・大阪21世紀協会まで。


【川嶋みほ子】

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