21Cafe

2008年4月 1日 (火)

大阪スタイル

Washida

平成20年3月14日 vol.9「大阪スタイル」
ゲスト:鷲田清一氏(哲学者・大阪大学総長)

 大阪には、本当に大事なものは、自分たちで寄付してつくるという文化がもともと根付いていた。18世紀には懐徳堂や適塾など、日本で一番レベルの高い学問所が商人の出資で作られていた。「気前の良さ」と「学芸」は、大阪がもともと持っているスタイルだ。大阪でのムーブメントを起こすとしたら、この本道に帰るべきだ。

 大阪大学では「阪大スタイル」と称して、国や学問への忠誠ではなく、市民社会への忠誠を目指している。社会の中には、大人と子供、男性と女性、専門家と一般市民など、さまざまな異文化が含まれているが、その間をきちん橋渡しできる力を育てていきたい。

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大阪発アンチエイジング・スタイル

Morishita 平成20年1月23日 vol.8「大阪発アンチエイジング・スタイル」
ゲスト:森下竜一氏(大阪大学大学院医学系研究科教授・アンジェスMG株式会社取締役)
 
 森下氏は、遺伝子医療の研究者として、バイオベンチャーの創業者として、そして政府が進める知的財産戦略のメンバーとして、現在幅広く活躍している。

 今回のお話も、世界における遺伝子治療とバイオベンチャーの動向、内閣府が進めてきたイノベーション25の概要、メタボリック症候群が起こってきた背景と個人でできる解消法など、多岐にわたっていた。

 灘のお酒の醸造、道修町の薬種問屋にはじまる関西のバイオ歴史は地に足のついた流れの深いもので、大学での基礎研究を製薬企業にきちんとつなげていくことが今の大阪には必要だと強調した。

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企業だからこそできる社会貢献

Fujiwara 平成19年11月28日(水) vol.7「企業だからこそできる社会貢献」
ゲスト:藤原明氏(りそな銀行地域サポート本部)

 「REENAL(リーナル)」は、りそな銀行が中心となって行なう、企業や地域とのコラボレーション事業の総称です。始まりはラジオ局「FM802」との「Resonart」。若手アーティストの作品をキャッシュカードのデザインに採用したことで、現在までに15種類、56万枚のカードが新規に発行されています。
 その後企業・大学・商店街など、さまざまな団体とのコラボレーション企画を手掛けてきました。イベントを仕掛けたり、フリーペーパーや雑誌を作ったり、商品を開発して流通させたりと、地域のポテンシャルを活かした多種多様な展開を行なっています。

 REENALで意識しているのは、企業のモチベーションを活かした社会貢献です。プロジェクトを通じて新しいマーケットを創造することができれば、本業を果たしつつ社会に貢献することができます。REENALではあらゆる業種の企業と取引がある銀行の立場を活かし、有機的なつながりを作っています。そしてアーティスト、クリエイターと企業をつなぐ企画を数多く手掛けています。彼らの潜在力が発揮されることで、新たなムーブメントが起こり、プロジェクトが大きくなっていくということを実感しています。

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大阪発・映画の可能性

Kim 平成19年10月30日(火) vol.6「大阪発・映画の可能性」
ゲスト:Kクリエイト・コーポレーション 金秀吉(きむ・すぎる)氏
 
 『夫婦善哉』は織田作之助が27歳の時に書いた作品で、大阪の下町を舞台に、落語・浪花節や大阪名物など、大阪の街のエッセンスをちりばめられています。大阪をこよなく愛しつつ33歳で亡くなった彼の人生を描くことで、戦前の洗練された大阪の街のイメージを伝えたいと思っています。細身・長身で文士マントをまとったオダサクと、街行く人が振り返るほどの美人だった奥さんの一枝さんの二人の主人公を軸に、戦争が迫る時局の中、人生をギリギリまで楽しもうとしていた人々のことを描きたいと思っています。

 映画の製作にあたっては、ワークショップという形で、東京と大阪で集めたクルーで一緒に作りたいと思っています。映画作りを通じて大阪の人材能力を引き上げるのが狙いです。

 “映画の街”としての大阪の可能性は、映画祭を行うという方法だけでなく、大阪発の良質の映画を一本ずつ作っていくという方法にもあります。映画祭は外から人を呼び込みますが、映画はコンテンツとして外でお金を稼いでくれるのです。そして大阪で映画を製作することで、製作費用の多くは大阪の街で循環します。これは大阪経済の活性化にもつながる方法なのではないでしょうか。

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2007年12月 5日 (水)

大阪イメージの海外発信

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平成19年9月12日(水)vol.5大阪イメージの海外発信 

ゲスト:古月幸江氏(china stage)×ジャティン・バンカー氏(KANSAI Scene編集長

 ジャティン氏が編集長を務める英字情報誌「KANSAI Scene」では、関西在住の外国人と短期の旅行滞在者に向けて情報を発信している。

 最新号では世界陸上大阪大会の開催にあわせて「Viva Osaka」という特集を組み、公共アートやグラフィティ、街の看板など、視覚的に魅力的なものを紹介しつつ、飲食店のクーポン、主要駅周辺の地図や地下鉄路線図など、初めて大阪に来た外国人に役立つ情報を提供している。同誌では海外メディアと連動した情報発信を意識しており、今回はルフトハンザ航空の機内誌が大阪を特集するにあたり、海外から取材に来たライターに情報を提供し、機内誌を読んで来阪した人たちに「KANSAI Scene」を手にとってもらえるようなシカケを作っている。

 ジャティン氏は「僕らは世界と関西との間に立って情報を発信する役割を果たしている」と自らのポジショニングについて語った。

古月氏が発行する中国語情報誌「大阪指南」は、主に上海で配布されている。

氏は「今や上海は大阪よりも都会化されているので、『東京に次ぐ第二都市』というアピールには魅力を感じてもらえない」「北京では文化的な情報が、上海ではビジネスや買い物などの情報が好まれる」といった現地事情を紹介し、現地の状況を十分にリサーチした上で情報を発信することの必要性を強調した。

同誌は次号には「関西指南」と名前を変え、上海と関西を自由に行き来できる日系企業の中国人スタッフにターゲットを絞って配布される。次号ではクーポンチケットを掲載し、雑誌を読んで実際に関西を訪れる人がどれぐらいいるのかを確かめる予定だ。

海外に向けて大阪の魅力を伝えるにあたっては、「誰に向けて発信するのか、その人たちが魅力的に感じること、必要としている情報は何なのか?」について、受け手側に立って具体的に発想していくことが大事であるということが、両氏の報告から浮かび上がってきた。

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2007年12月 4日 (火)

公共空間を使いこなす!

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平成19年8月9日(木) vol.4「公共空間を使いこなす!」

ゲスト:中谷ノボル氏(水辺のまち再生プロジェクト)×山崎亮氏(株式会社studio-L

中谷氏の仕事上の肩書きは「建築家」。個人住宅のリノベーション・コンバージョンにかかわっている。一方で、彼が立ち上げたNPO法人「水辺のまち再生プロジェクト」では、水辺から見た景観を向上させ、水辺の活気を取り戻すことを目的として、「水辺不動産」「水辺ランチ」「水辺ナイト」「水辺通信」「水上タクシー」「大阪水辺マップ」など、メンバーとともにさまざまなプロジェクトに取り組んできた。

NPOの代表を退いた現在も「2009年には京阪中之島新線・八軒家浜などの中之島周辺の水辺のハード整備が一段落する。利用者として、これらのハードをどう使いこなしていくかを考えている。」「大阪でも川床を実現できないかと、現在府・市の方々にも入っていただいて勉強会を始めている。」など、大阪の水辺にかかわるプロジェクトを継続して展開している。

一方の山崎氏は、ランドスケープデザイナーとして公園や庭の設計にあたっているが、有馬富士公園のプロジェクトで、すでに設計が終わっている公園に人を集めるためのマネジメント計画に関わったことをきっかけに、設計した空間を人々が使いこなしていくためのシクミづくりに関心を持つようになった。

その後「ユニセフパークプロジェクト@神戸市」「studio:L@堺市」「いえしまプロジェクト@家島町」といった公共空間を使いこなす活動、「ランドスケープエクスプローラー」「OSOTO」といった公共空間の使いこなし方を紹介する活動、「ホヅプロ@伊賀市」のような民有地を公共空間化して使いこなす活動などを展開してきた。

「最近では設計をする前から、その空間を使いこなすグループを作る作業を始めるようになっているがこうしたシクミづくりは、今まで設計・デザインの中で抜けていたことだと思う。」と、ユーザー視点に立った公共空間のデザインについて、斬新な視点を提示していた。

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2007年12月 3日 (月)

街的をめぐる冒険

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平成19年7月12日(木)vol.3「街的をめぐる冒険」 

ゲスト:江弘毅氏(株式会社140B)× 辻大介氏(大阪大学大学院人間科学研究科)

京阪神地区を対象とする街の雑誌「ミーツ・リージョナル」の編集長を務めてきた江氏は、昨年「街的』ということ」という本を著している。この回では街的』というキーワードから、大阪という街の「街場のコミュニケーション」について、二人のセッションが繰り広げられた。

江氏が「一般的な情報誌では消費にアクセスする情報を集めて、インデックスの下にコンテンツをぶら下げるという編集を行なっているが、ミーツではそれに対して、人が暮らしている街の中でその店とどう関わったか、この店は街の中で、自分の中でどんな存在なのかを表現するよう心がけ、その手法を街的と名付けていた。まず話のやり取りがあり、その上に商品が乗っているという店と客とのコミュニケーションが、大阪にはまだ残されている。一方で、この街にもファーストフードのいらっしゃいませ、こんにちはに表象される、交換経済的コミュニケーションが浸透してきている。」と問題提起を行なうと、辻氏は「大阪という街は大阪らしさを、東京の目を通したわかりやすさで表現してしまっているのではないか。そして町屋的なノスタルジックにこだわると、今度はテーマパーク化の罠にはまってしまう」と持論を展開。

「人間とは魂を持った取り替えのきかない存在だが、街にも同じことが言える。どうしようもなく滲み出てしまうものがそこにはある。」(辻氏)「それは交換ではなく贈与の原則に基づいた人間の行動規範。それが誰にでも同じサービスの提供が約束されている交換の原則に回収されてしまうところに現代の抱える問題がある。」(江氏)「今、街に当たり前に存在するコンビニやファミレスの中に、街的なものが滲み出してくる穴を作れないかと考えている。規格化されたものの中にすきま風が吹く余地をいかに残すか」(辻氏)。経済システムと街場のコミュニケーションの変容について、レベルの高い議論が交わされていた。

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2007年6月28日 (木)

「街的」ということ

199 6月21日(木)の夜に、南船場に新しくオープンしたISSEY MIYAKE INC.のコンセプトショップ「ELTTOB TEP」において、東京vs大阪 漫才的文化論「南船場・・・どう?」というトークセッションが開催されました。

ゲストは元ミーツリージョナル編集長・江弘毅さん×グラフィックデザイナー・佐藤卓さん×国際派噺家・桂小春団治さん。

アートディレクターとしてこのお店に関わることになった佐藤さんは、南船場という街がどういう場所なのかを知るために、まず江さんのお話を聞いたそうです。

「アメリカ村や南船場は、行政や大資本によってできた街ではなく、何か面白いことをやろう、という人が出てきて、Gパン屋やメガネ屋やアトリエを作り、そうした点が線に、線が面にと自然発生的にできた街。そんな街だから、記号的・ブランド的なだけのお店づくりをしても本気かどうかすぐ見抜かれるぞ。」

このアドバイスは、佐藤さんのクリエイティビティをかなり刺激したようです。どんなお店になったのかは、ぜひ実際に行って確かめてみて下さい。http://www.isseymiyake.co.jp/ELTTOB_TEP/

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江さんは昨年、「『街的』ということ -お好み焼き屋は街の学校だ-」という本を著しています。

この本の中で江さんは、街とは、店とは、そして『街的』であることとは何かを、独特の鋭い切り口で描き出しています。

そして次回7月に開催される21cafeでは、「『街的』をめぐる冒険」と題し、江さんと、コミュニケーション社会学を専門とされている大阪大学大学院人間科学研究科の辻大介さんに登場いただきます。

「街場のコミュニケーション」をめぐる、社会学的な深みのあるセッションになりそうです。

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2007年6月19日 (火)

この街のクリエイターのこと

170 6月13日(水)に、21cafe vol.2が開催されました。

今回のゲストは、堂野智史さん(メビック扇町)と芦谷正人さん(有限会社DRIVE)です。

扇町・天満・南森町には、2千数百ものクリエイティブ職種(ソフト系IT、映像、デザイン、広告企画、出版印刷など)のオフィスが集積しています。特に広告系が多く、代理店を通した下請的な仕事をしている人が多いようです。

このエリアでは、バブル崩壊以降、仕事が東京にシフトしたこと、デジタル技術の導入によって作業が個人レベルで完結するようになったことにより、クリエイター同士が顔を合わせる機会が減ってきていたそうです。

そこでメビックでは、2005年から“この街のクリエイター”プロジェクトをスタート。セミナー・ミーティング・博覧会などの開催を通じて、地域のクリエイターたちの顔の見える関係性を構築してきました。

芦谷さんは「このプロジェクトを通じて、これまではプレゼンの仇だったかも知れないクリエイター同士が日々出会い、コラボレーションの機運が生まれてきている」といいます。

この地域にニューヨークのSOHOのような、カルチャーミックスが生まれてくるのも遠い先のことではないかも知れませんね。

メビック扇町では、現在月1回のペースで「クリエイティブクラスター・ミーティング」を開催しています。

http://www.mebic.com/meeting/vol-9.html

このミーティングには、どなたでもご参加できますので、ぜひ一度覗いてみてください。

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2007年5月15日 (火)

この街のクリエイター博覧会

20070220houmei2 2003年に大阪キタ・扇町にオープンした扇町インキュベーションプラザ(メビック扇町)では、デザイン・IT・映像・広告・編集出版など、クリエイティブと呼ばれる職種の起業家の育成支援をおこなっています。

メビック扇町では、入所企業だけでなく、扇町・天満・南森町界隈の創造産業全体を活性化させていこうという趣旨から、定期的にこのエリアのクリエイターを集めてミーティングを行ってきました。そしてこの2/20には、クリエイターたちが主体となって、彼らのクリエイティブセンスやアイデアを紹介するイベント「この街のクリエーター博覧会」を開催し、クリエイターを中心に数百人を集めました。

第2回目の21cafeのゲストには、メビック扇町の堂野所長と、「この街のクリエイター博覧会」の中心メンバーであるデザイナーの芦谷さんにお越しいただき、この地域の持っているポテンシャルと課題、そして彼らの動きが創造都市の実現にどうつながっていくのかについてうかがっていきます。

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2007年5月11日 (金)

創造都市・大阪への序曲

Photo_15 5月8日(火)に開催された第1回の21cafeでは、

大阪市立大学創造都市研究科の佐々木雅幸教授にご登場いただきました。

 佐々木先生は、アメリカで起きた9.11テロ事件を契機に、「世界都市」という概念が失墜し、かわって「創造都市」という概念が注目されるようになったといいます。

そしてこれからの大阪は、東京のミニチュア版を目指すのではなく、市民の活発な創造活動によって先端的な芸術や豊かな芸術文化を育み、革新的な産業を振興する「創造都市」を目指すべきだと主張されました。

佐々木先生は、カフェを創造都市に欠かすことができないインフラとして意味づけておられます。

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  C:Creative City(創造都市)
  A:Art&Culture(芸術文化)
  F:Forum(公開討論)
  E:Empower(力を与える)

単なる飲食のための場としてだけでなく、知の創発が起こり、そこからさまざまな文化や経済が生まれる可能性を持っている場。

そうした都市の「創造性」の源泉としてのcafe(カフェ)として、21cafeも機能させていきたいと思います。

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2007年5月10日 (木)

21cafeの会場

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21cafeの会場となるのは、この4月に堂島川沿いにオープンしたカフェ「Label cafe te to te(レーベルカフェ・テトテ)」。大きなガラス窓からは川の流れと木々の緑を楽しむことができる、都会のオアシス空間です。

このカフェは、商業空間デザイナーの岩本勝也さんが、デザイナー自身が発信をしていきたいという思いから立ち上げた「レーベルクリエイターズ」の活動の集大成として作られています。

タイル・合板・板金・生地など、ものづくりの過程で生まれる廃材を活用して作られたこのお店は、デザイナーが環境に対して何ができるのか、という表現でもあるのですね。

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2007年5月 9日 (水)

21cafe、スタートいたします

 大阪21世紀協会では本年5月より、交流サロン“21cafe”をスタートいたします。

 かつて大阪は、商人や町人によるサロン文化を背景に、文楽や歌舞伎に代表される独自の上方文化や、堂島の先物・米取引などの世界に先駆けた市場システムを創造してきました。 

 “21cafe”では、そうした大阪人の自由闊達な心意気を現代に受け継ぐ交流サロンです。

 大阪でさまざまな文化的活動に携わる人たちに、リラックスしたカフェ空間にお越しいただき、情報を交換することで、そこから自然なかたちで新しいアイデアやコラボレーションが生まれていく、そうした場を定期的に開催していきたいと考えています。

 このブログでは、21cafeで話し合われた内容、また21cafeに関連するいろいろなトピックについてお伝えしていきたいと思っています。

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