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2007年7月 9日 (月)

〈映画力〉を大阪ブランドに!

エッセイスト 武部好伸

 映画都市、OSAKA--。こんなキャッチフレーズをかかげたら、みなさん、驚くかもしれませんね。「なんで、大阪と映画が関係あるねん」と。

 じつはめちゃめちゃ関係があるんです。フランスで映画(シネマトグラフ)が誕生してから2年後の明治30年(1897年)、日本で最初にお金をとって映画を市民に見せた場所が、なにを隠そう、大阪でした。その映画興行発祥地が、今日、難波の高島屋前に建つTOHOシネマズなんば(旧南街会館)のあるところです。1階のエレベーター乗り場の横に、その旨を記した碑文がはめこまれてあります。映画を観にいったとき、ぜひご覧ください。

Photo_151  さらに、活動弁士(映画解説者)の第1号が大阪人で、映画文献(『自動写真術』という映画の解説書)も大阪の地からはじめて刊行されました。大正中期から昭和初期にかけて、「東洋のハリウッド」と呼ばれた日本最大規模の帝国キネマ長瀬撮影所が建造されたりして、大阪も映画製作の拠点でした。そしていまから7年前には、ロケの誘致などを図るフィルム・コミッション(大阪ロケーション・サービス協議会という組織)が全国に先駆け、大阪で産声を上げました。

 このように大阪は映画とひじょうに深くかかわってきたのです。もし、〈動く写真〉をはじめて観た大阪人が「こんなもん、おもろないわ」と首を横に振っていたら、日本の映画史はちがった方向へ進んでいったかもしれません。

Photo_152  大阪には通天閣、大阪城、道頓堀、住吉大社といった映像的に存在感のある、全国に通用する名所が結構多くあります。ひと昔前の路地(ろぉじ)や長屋、レトロ調の商店街も少なくありません。それになんといっても、人間が絶対におもしろい! みな目立ちたがり屋だから、それこそエキストラをやりたい人はごまんといるでしょう。

 総合的に考えると、大阪ほど映画撮影の地にふさわしい都市はないと思えるのです。この〈映画力〉を大阪ブランドのひとつに採り入れれば、ほんとうに映画都市として注目されるかもしれません。

 〈映画力〉……。この魅力的なパワーが大阪には十分、宿っているとぼくは信じています。

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