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2007年12月11日 (火)

ブランド力をもつ黒澤映画!~リメイクされた『椿三十郎』を観て

エッセイスト 武部好伸

 「久しぶりの日本映画。すごく面白かった!」

 「時代劇ははじめてやったけど、なかなかクール!」

 現在、公開されている織田裕二主演の時代劇映画『椿三十郎』を観た若者たちは、おおむね満足した様子でした。

01  江戸時代、とある藩のお家騒動をちょっぴりコミカルに描いた物語。エネルギッシュな殺陣、不気味な雰囲気を漂わせる豊川悦司ふんする切れ者、意気がるわりには稚拙な行動をとる9人の若侍たち、おっとりした能天気な母娘……など、映画のなかにはいろんな楽しさがいっぱい詰まっていますが、なによりも痛快無比なのはストーリーそのものです。

 それもそのはず、巨匠・黒澤明監督が1962年に撮った同名作品をリメイクしたものだから。しかも脚本(菊島隆三、小国英雄、黒澤)をそっくりそのまま使ったというのだから、面白くないわけがありません。

Photo  1950~60年代の黒澤映画はどれも思いっきりパワフルで、世界に通用する作品ばかりです。そんな絶対的な評価を得ている名作をあえてリメイクするなんて、森田芳光監督はよほど自信と勇気のあるお人だと思われますが、45年ぶりにカラーでよみがえった新『椿三十郎』によって、ひとりでも多くの人に日本映画、とりわけ時代劇映画の楽しさをわかってもらえれば、映画愛好家のぼくとしてはすごくうれしいです。

 この映画が話題になっていることを思うにつけ、黒澤映画はそれ自体がしっかりブランド化しているのだなぁと実感します。黒澤映画というだけで、だれもが納得し、安心して観られる。これはブランド以外の何物でもありません。ただ、安易に次から次へとリメイクするのだけはやめてほしい。ブランドの安売りになってしまうので……。リメイクは所詮、リメイク。オリジナルとは異質のもの。

 黒澤映画は永遠に不滅なり~♪

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