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2008年2月13日 (水)

あゝ、厚年……、ひとつのブランドの消失!?

エッセイスト 武部好伸

Photo こぢんまりとした公園に面して、ドカッと居坐っている茶色の建物。公園をはさんで南側から望むと、それはなんともシックに感じられ、周囲の落ち着いた街並みともよくマッチしています。しっとりと風情に溶け込んでいる、そんな大阪厚生年金会館(大阪市西区新町)がぼくは大好きです。ちょっと敷居の高い中之島のフェスティバル・ホール(同市北区)よりも身近な存在~。

 そこはまたいろんな思い出の詰まった場所として、ぼくの心に刻まれています。ロック、ジャズ、演劇、舞踏、映画、落語など、ほんとうにさまざまなジャンルの催しを学 生のころから楽しんできました。15年前(1993年)の9月、アメリカのロック&ヴォーカル・グループ「スリー・ドッグ・ナイト」の再結成コンサートが、なぜか印象に残っています。もう二度と眼の前で観られるとは思っていなかったからかな。いまでは、「ウェルシティ大阪」というシャレた名がつけられていますが、ぼくにとってはずっと「厚年(こうねん)」です。

 文化発信地なのに、赤字でもないのに、その厚年が今年9月に営業停止になるということです。このニュースを耳にしたとき、ぼくは計り知れないほど衝撃を受けました。そんなアホな!? ウソやろ!? なんでやねん!? そして猛烈に腹が立った。居ても立ってもおられず、閉鎖反対・存続を求める署名もしました。しかし、全国の年金福祉施設の整理合理化計画に伴うもので、どうしようもないとか。愛知や徳島などの厚生年金会館も同じ憂き目に遭うらしい。なんともやるせないなぁ。

 厚年は、大阪文化の大きなブランドです。いや、大阪だけでなく、関西屈指の文化的ブランドだと思います。だからこそ、残念で惜しい。今年が建造されて40周年の節目というのに……。なんでやねん!? 厚年の建物はどこか寂しげで、眼にするたびに深いため息が漏れます。

Photo_2  売りに出されるということですが、いったいどうなるんやろ!? 大阪市民として、気が気ではありません。経営母体が変わっても、従来どおりずっと文化を発信し続けてほしい。いや、そうせなあかんと思います。でないと、大阪にとって取り返しのつかない損失になります。ブランドなのだから、そう簡単に消してはあきまへん!

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