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2008年5月13日 (火)

チンチン電車と住吉界隈

エッセイスト 武部好伸

 ノスタルジックな雰囲気がただよう阪堺電気軌道の恵美須町駅からチンチン電車に乗って住吉大社へ向かいました。ここ数年、初詣でも訪れていないので、ほんとうに久しぶり。しかも路面電車で行くのは、ひょっとしたら小学生のとき以来かもしれません。座席に腰をおろすや、なんだか童心に返ったように心がうきうきしてきました。

Img_0138 住吉鳥居前で下車、眼の前の鳥居をくぐり、有名な太鼓橋(反橋)に駆けのぼり、四囲を見渡しました。亀がのんびり泳いでいる眼下の深緑色を呈した池、綿菓子やたこ焼きを売る露店、黙然と写生する人たち、ゆったりとした足取りで散歩するお年寄り、そして眼にまばゆいばかりの新緑の樹々……。初夏のような陽射しのもと、すべてが調和しており、ひじょうに優しい光景がひろがっていました。そんななか、ガタンガタンとチンチン電車の音が心地よく耳を刺激してくれます。

 「何事もうまくいきますように!」と本殿でしっかり願をかけてお参りしたあと、電車道へ戻り、少し北側へ歩を進めると、カメラを手にした人たちが数人、立っていました。彼らが狙っているのはチンチン電車でした。阪堺線と上町線が交差するスポット。電車をレンズに収めると、すごく絵になる。どのアングルでもOK。思わず仲間入りし、「チンチン電車のある住吉」を激写しました。

Img_0140  ぼくの幼かったころ、大阪の街のいたるところに市電が溶け込んでいましたが、いまや路面電車はこの阪堺線と上町線だけとなりました。住吉大社を中心とした界隈には、街のたたずまいとしてチンチン電車が不可欠だと思いました。絶妙の取り合わせ。この空間はまぎれもなく大阪のブランドなんだ! そう実感しながら、ノロノロと通り過ぎる電車に向け、熱い思いを込めてシャッターを切りました。

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