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2008年8月27日 (水)

あなたの知らない“築港”案内

KNSまちづくり研究会 山本敏也

最近、何かと話題の多いベイエリアですが、大阪市港区の築港には歴史を感じさせる素敵な建物が今もいくつか残っています。

地下鉄中央線の「大阪港」駅で下車し、4番出口から南に500mほど進むと、目の前に巨大な赤レンガの倉庫が飛び込んできます。これは、大正12(1923)年10月に住友倉庫が建設した「築港赤レンガ倉庫」(旧住友倉庫・港区海岸通)です。

Image001_2 倉庫は北と南の2棟に分かれていて、その間と両脇にはかつて臨港鉄道が引き込まれていたようです。写真のように現在はアスファルトで覆われていますが、左側の倉庫手前に段差があるのはホームの名残です。

この一帯は戦前からの著しい地盤沈下のために、戦後は盛り土で地盤のかさ上げが行われました。一説には、2mほど下に線路敷が埋まっているとか。そんな噂を聞くと、ちょっとワクワクしますよね(そう思うのは「鉄ちゃん」だけ?)

Image002_3 1999年に住友倉庫から大阪市に移管、現代芸術活動の拠点として再生されたのですが、現在は残念ながら非公開となっています。フェンスの向こうに立ちふさがっている重厚で大きな鉄の扉を眺めていると、突然扉がバーン!と開いて中からサンダーバード2号(?)か何かが出てくるんじゃないか…という他愛のない空想にふけってしまうほど、この倉庫にはただならぬ存在感が漂っています。

さて、旧住友倉庫を少し西に歩くと、ある港湾運送業者の平屋の倉庫が見えてきます。こちらも赤レンガづくりで、先ほどの倉庫よりも古い大正4年の建築です。そして、何よりも現役で使われているのには驚きます。体格や体力は若者にとてもかなわないけれど、古参の意地がそこにはあります。

Image003_2 余談ですが、手前にある土砂掘削用のクラムシェルバケットに「工場萌え」的な感情を抱いてしまい、思わずシャッターを切りました。倉庫の「静」とバケットの「動」という面白い組み合わせが収まりました。

赤レンガ倉庫の散策に疲れたら、昭和10年築の近代建築「天満屋ビル」まで頑張って歩きましょう。ビルの2階にカフェがあるのでティータイムが楽しめます。
このカフェ、不思議なことに入口が2階にしかありません。というのは、先にも触れましたが、この地域の地盤がかさ上げされたために、1階部分が「半地下状態」になっているからなんです。もちろん1階に「下る」階段もあります(ただし、会社の事務所なので入れません!)。

Image004 天満屋ビルの隣は、昭和8年築でスクラッチタイルの外壁が特徴の「商船三井築港ビル」です。このビルは、もともと凸型の概観だったんですが、のちに両肩の部分が増築されました。外壁の色をみるとその変遷がはっきりわかります。
商船三井築港ビルにはユニークなテナントが入居しています。1階(厳密には旧2階!)にはデザイン事務所兼ギャラリーがあって、不定期ですがキャンドルバーなどのイベントを開催しています。キャンドルのほのかな灯りでお酒を飲む…というプライスレスな時間を過ごすイベントが私のイチオシです。

地階にはアートプロジェクトの企画を手掛ける現代美術のギャラリー、さらに2階には岡山県児島のジーンズ職人が手がける有名ジーンズメーカーのショップもあります。まさに、知る人ぞ知る「お楽しみスポット」といえるでしょう。

以上、築港のあまり知られていない見どころをザッとご紹介しましたが、そこには古き良きものの上に、創造的な感性を持った新しい時代の息吹が宿りつつあるようです。

【散策マップ】http://pianpo.com/minaart/minamap.html
・天満屋ビルのカフェ http://www.tapo.jp/blog/
・デザイン事務所兼ギャラリー http://jkgraphis.biz/stem_gallery 
・現代美術ギャラリー http://www.g-yamaguchi.com/index/index.html
・ジーンズショップ http://www.daniajapan.com/

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