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2008年9月22日 (月)

大阪の川と橋

エッセイスト 武部好伸

011 梅田へ出るとき、雨が降っていなければ、ぼくはたいてい歩いて行きます。四ツ橋筋のウォーキング。大阪の街中を歩くのが好きなんです。

先日、土佐堀川に架かる肥後橋に差しかかったとき、ふと思いました。「ひょっとしたら、大阪の橋のなかで一番多く渡っているのがこの橋かもしれへんわ」と。橋であることを意識せず、四ツ橋筋そのものだった肥後橋が急に近しい存在に思えてきました。

02_2 すぐ東側の錦橋をとくと眺め、こんどは道路を渡って西側の中之島から阪神高速道路が宙を舞う肥後橋を眼にすると、ビルにかこまれた大都会の川辺もなかなかええもんやなぁと実感。見慣れている光景がちがったものに見えてきました。

そや、大阪は江戸時代には「八百八橋」と呼ばれていたんや。河川が街中にいくつも流れ、まさに「水の都」やったんや。

ぼくの幼いころ、四ツ橋の電気科学館に父親に連れられて行ったとき、西横堀川と長堀川との合流点に架けられた四ツ橋をかならず4つとも渡ったことを鮮明に覚えています。上から見ると、文字通り4つの橋が真四角に架けられている形態が珍しく思えたからでしょう。長堀川沿いに市電が走っていたのも風情があって懐かしい。

川がつぎつぎと埋め立てられ、同時に橋も消えてしまったけれど(地名では残っていますね)、大阪には街の景観に欠かせない川と橋がまだまだ多くあります。

中央公会堂や図書館の風格ある建物が川面にその影を落とす中之島が大阪を代表するウォーターフロントですが、それ以外の川辺もまた異なった趣を見せてくれます。開放感に満ちあふれた新淀川の両岸などはぼくのお気に入りのスポットです。

こうした情景は〈大阪の宝〉と言ってもいいかもしれません。日本の大都会で、これほど「水」と深くかかわっているところはほかにはありませんからね。

「川と橋が彩る空間……、ホンマ、ありがたく思わなアカンわ」
肥後橋でしばし川の景色を堪能しながら、いつになく真面目なことを考えていました。

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