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2009年1月13日 (火)

『大阪ハムレット』~楽しく生きるべきか、悩み続けるべきか、なにも問題はない!?

エッセイスト 武部好伸

人類がお月さんに足跡を記してから40周年。キューバでカストロさんが革命を起こしてから50周年。そんな記念すべき2009年に突入しました。ややこしい時代になりつつありますが、だからこそ心は常に温かくありたいものです。

17日から封切られる『大阪ハムレット』(光石富士朗監督)は、ほんわかとした雰囲気に浸らせてくれるホームドラマです。森下裕美さんの同名コミックの映画化で、大阪の庶民的な路地(大阪弁では「ろうじ」と言います)で暮らす家族の生きざまをコミカルに描いています。

Osakahamlet01_2 その一家がみな個性豊か。3人の息子を育てるしっかり者のお母ちゃん(松坂慶子)が楽天家とでも言いましょうか、なんともおおらかです。お父ちゃん(間寛平)が急死してから、49日も経っていないのに、お父ちゃんの弟と称するおっちゃん(岸部一徳)が転がり込んできて、仲良くなっていくのですから。でも、まったくいやらしさを感じさせません。カラッとしている。このおっちゃんが最後まで謎めいているのがまたおもしろい。

そんなふたりを興味津々、眺めていく子供たち。中学3年の割にはかなり老成している長男(久野雅弘)、ヤンキー丸出しの中学1年の二男(森田直幸)、女の子になりたがっている小学生のキュートな末っ子(大塚智哉)といった具合に、3人3様、キャラがまったく異なっています。

Osakahamlet02_2 お母ちゃんとおっちゃんの関係はシェークスピアの『ハムレット』のようですが、陰鬱でどろどろした世界ではなく、映像はプラスの情に満ちあふれています。みな互いに認め合い、理解し合って生きているところに、ぼくは心地よさを感じました。

いかなる困難にぶつかっても、笑い飛ばす諧謔なる精神。ほんま、大阪人らしい生き方やなぁ~となんだかホッとさせられました。玉出本通商店街(大阪市西成区)が銀幕のなかでなかなか映えておりましたよ。

今年も「大阪映画」が何本も観られたらええのに~と念じています。

(写真:©2008「大阪ハムレット」製作委員会 )

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