« 2020年7月 | トップページ | 2020年10月 »

2020年9月

2020年9月 3日 (木)

WEBで配信! 関西・大阪文化力会議2020 ~和食フォーラム~

Photo_6

関西・大阪文化力会議2020 ~和食フォーラム~
第一人者が語る 日本の伝統的食文化「和食」の魅力と影郷
5拠点を結びオンラインにて開催、LIVE配信
その模様をYouTubeで配信中

当協会では2010年以降「関西・大阪文化力会議」を開催。2017年には、和食のユネスコ無形文化遺産登録を記念して「食」をテーマに実施しました。
5年後に大阪・関西万博を控えた今回は、723日(水)、世界が取り組むSDGsにも関わりの深い「食」、とりわけ「和食」に再び焦点を当て、料理人、料理研究家、学者など多彩な分野の第一人者を招いて、幅広い視点からお話を伺いました。

当日は、新型コロナ禍で参加者の安全を考慮してオンラインでのライブ配信となりましたが、視聴者から「和食の魅力や世界における役割がよくわかった」等、ご好評をいただきました。
この模様は編集を加え、「YouTube関西・大阪21世紀協会公式チャンネル」https://www.osaka21.or.jp/event/bunkaryoku2020/で公開していますので、ここでは、配信当日の様子のごく一部を紹介させていただきます。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

当協会の﨑元利樹理事長の挨拶に続いて、京都府立大学・宗田好史教授の司会進行により、フォーラムが始まりました。

Profile01

プログラムの最初は、東京農業大学名誉教授の小泉武夫さんの基調講演「和食はこんなに素晴らしい」です(宗田氏代読)。和食の特徴は、精神修養や交際礼法を極める修道でもあること、四季の旬の食材が豊富なこと、鰹節を煮込まず短時間で出汁を取るという贅沢なだしの取り方など。また、高温多湿な気候で発酵に関わる微生物が多く、原料となる農作物が多く、海から豊富に塩がとれることから、和食は発酵食品の宝庫である、と述べました。

次は、ガストラボ・インターナショナル拡張・開発担当ディレクターのステファン・ヌスバウムさんの基調講演「SDGsとフードスタディ」です(宗田氏解説)。日本はSDGsの掲げる課題に対して、膨大に蓄積された食物に関する知識を海外の人にもっと共有し、世界をリードする立場にある。最近、内閣府に設立された「SDGsのためのフードスタディーズ研究会(FSRI)」は、食の知識の開発と共有に資すると同時に、食物の生産過程、環境等に対する責任を共有することにもつながる、というお話でした。

Youtube_20200902171901

続くパネルディスカッションでは、辻芳樹(辻料理館理事長、辻調理師専門学校校長、辻調グループ代表)、平松博利(平松総合研究所代表、奈良県立なら食と農の魅力創造国際大学校名誉校長)、巽好幸(神戸大学海共生研究アライアンス長)、田中愛子(内閣府SDGsのためのフードスタディ研究会発起人幹事、株式会社キッチンカンバセーション代表取締役)、の4氏が、宗田氏をコーディネーターに意見を交わしました。

辻さんは「江戸時代、大阪では自由で進取の気性に富んだ町人文化が花開き、裕福な商人たちが優秀な料理人や職人を育てた。この気風は戦後も続き、料亭・吉兆は旦那衆に支えられて日本料理に革命を起こした。食文化の発展には贅沢をすることも必要。これからは、世界の食の情報が大阪に集まり、世界に通用する料理人が輩出することが望ましい」と述べました。

ヌーベル・キュイジーヌの創設者、ポール・ボキューズ氏の弟子である平松さんは、地産地消の料理の重要性を強調。大学では学生らが自ら畑でつくったものを料理するキュイジーヌ・ショーンを実践し、研究所では和食とフランス料理を同時に研究し、料理人たちが互いの素晴らしい点を学ぶことで、新しいフランス料理、新しい日本料理を生み出していることを紹介しました。

内閣府SDGsのためのフードスタディーズ研究会(FSRI)の発起人でもある田中さんは、世界で8億人が飢えている複雑な状況の中で、食の理論や食への愛情の大切さをもっと広げていくためFSRIを発足したとのこと。それにより、世界の大きな学会が積極的に日本に来るようになるので、皆さんの支援も得て、日本の食を多角的に発信していけるよう尽力したいと訴えました。

巽さんは、地球科学の観点から和食の魅力を語りました。日本の川は流れが速く、地中のカルシウム・マグネシウムが水に溶け込む暇がないため、昆布出汁に適した軟水ができた。また、瀬戸内海の鯛が美味しいのは、海底に隆起と沈降の繰り返しがあり、筋肉質の魚が育つから、とのこと。日本列島は世界一の変動帯で、地震や火山活動が盛んだという試練を受け入れながら、私たちは美味しいものをいただくことができるという、とても印象深いお話でした。

このあと、afterコロナのグローバリゼーションのあり方、関西・大阪からの情報発信等について、さらに議論は深まります。
続きはぜひ、下記「YouTube関西・大阪21世紀協会公式チャンネル」でご覧いただけましたら幸いです。

YouTube関西・大阪21世紀協会公式チャンネル
https://www.osaka21.or.jp/event/bunkaryoku2020/

【川嶋みほ子】

| | コメント (0)