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2021年4月

2021年4月28日 (水)

【ご報告】令和2年度 大阪文化祭賞 決定のお知らせ

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令和2年度 大阪文化祭賞 受賞者が決定

文化祭賞3件、奨励賞5件
2021年3月24日発表


■令和2年度「大阪文化祭賞」の受賞者が決定

関西・大阪21世紀協会と大阪府・大阪市は、芸術文化活動の奨励と普及、大阪の文化振興の機運の醸成を目的に、大阪府内で上演され、優れた成果をあげた公演に対して「大阪文化祭賞」を贈呈しています。この賞は昭和38(1963)年に創設され、今年で57回目となりました。

関西の著名な芸術家・文化人・ジャーナリストが審査員を務め、令和2(2020)年に大阪府内で開催された公演の中から、第1部門「伝統芸能・邦舞・邦楽」、第2部門「現代演劇・大衆芸能」、第3部門「洋舞・洋楽」について、独創性、企画・内容・技法などを総合的に選考し、各賞を決定しました。また副賞として、大阪文化祭賞には20万円、奨励賞には5万円がそれぞれ贈られました。

【大阪文化祭賞】3件
・竹本錣太夫   初春文楽公演『傾城反魂香』【土佐将監閑居の段】の成果
・工藤俊作    プロジェクトKUTO-10の制作活動
・堺シティオペラ 第34回定期公演『アイーダ』の舞台成果

【大阪文化祭奨励賞】5件
・豊竹希太夫   錦秋文楽公演『本朝廿四孝』【景勝上使の段】の成果
・沢村さくら   沢村さくら二十周年記念曲師の会の成果
・橋本匡市    オンライン配信を活用した演劇公演の企画上演
・環バレエ団   オータム・バレエ・コンサートの成果
・會田瑞樹    ヴィブラフォンソロリサイタル in OSAKAの成果

■各賞の受賞理由と略歴
各受賞者の受賞理由・略歴(抜粋)は以下の通りです。


【大阪文化祭賞】

竹本錣太夫 初春文楽公演『傾城反魂香』【土佐将監閑居の段】の成果
(第1部門:伝統芸能・邦舞・邦楽)

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〈受賞理由〉
2020年1月、戦前活躍した五代目竹本錣太夫の名跡を襲名。披露狂言では、実直な吃音の絵師・又平に錣太夫自身の誠実な人柄が相まって、観客を感動させた。人間国宝の豊竹咲太夫氏に続く世代として、文楽の芸の継承にも大きな成果をもたらすものといえる。 
〈略歴〉
1969年、四代竹本津太夫に入門。翌年10月、朝日座で初舞台。1989年1月、五代豊竹呂太夫の門下。令和2年1月、六代目竹本錣太夫襲名。1977年、第5回文楽協会賞を皮切りに、文楽協会賞2回、因協会奨励賞5回、国立劇場文楽賞文楽奨励賞3回、受賞。1997年名古屋ペンクラブ賞。2001年度因協会賞。令和元年度国立劇場文楽賞文楽優秀賞。


工藤俊作 プロジェクトKUTO-10(くとうてん)」の制作活動
(第2部門:現代演劇・大衆芸能)

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〈受賞理由〉
プロジェクトKUTO-10」の最大の魅力は所属劇団の異なる演劇人たちが出会うこと。それによって化学反応が起き、シリアスな社会派作品からコメディまで上質な舞台が次々に生まれた。首都圏や他地域での公演も行い、大阪の若手演劇人の育成、大阪の演劇の魅力を広く発信する役割も果たしている。
〈略歴〉
1965年大阪生まれ。大阪芸術大学在学中に劇団大阪太陽族(現・劇団太陽族)に入団。17年間在籍し劇団の全作品に参加。出演作もOMSプロデュース『滝の茶屋のおじちゃん』(作 蟷螂襲、演出 北村想)、FWF『日本三文オペラ・疾風馬鹿力篇』(原作 開高健、脚本・演出 内藤裕敬)など多数。2000年、第3回関西現代演劇俳優賞男優賞受賞。1989年に自主プロデュース「プロジェクトKUTO-10」を立ち上げ、32年に亘り20作品を上演。幅広い人脈と演劇への真摯な姿勢で、劇作家と演出家の稀有な組み合わせ、若い俳優の積極的な起用を実現し、シリアスからコメディまで興味深い作品を世に送り出している。


堺シティオペラ 「第34回定期公演『アイーダ』」の舞台成果 
(第3部門:洋舞・洋楽)

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〈受賞理由〉
タイトル・ロールで並河寿美が役柄の微妙な心情を丁寧に描き出すなど、歌手の演技がいずれも高水準であるうえ、衣装や照明、舞台装置など美術面も作品の内実に迫る深みがあった。地元市民を含む総勢150名の大合唱団が登場した「凱旋」の場面など、地方都市で制作・上演されたとは思えないほどの美しさと迫力があった。オペラが音楽と美術、テクストからなる総合芸術であることを改めて示した。
〈略歴〉
1978年に創設、2010年より一般社団法人となり毎年定期公演を開催。2006年、イタリアのプッチーニフェスティバルで、日本の団体として初めて現地との共同制作による「蝶々夫人」を上演、真の日本の様式美として絶賛された。2019年2度目のウィーン公演は現地大使館の後援を得て、数日に亘って公演を全うし高い評価を得た。同年 新設のフェニーチェ堺で総勢350人以上によりオペラ「アイーダ」を公演、本年は過去のオペラ公演の動画を無料で世界配信。2014年音楽クリティッククラブ賞、佐川吉男音楽賞(「黄金の国」)。2015年大阪文化祭奨励賞(「カルメン」)受賞。


【大阪文化祭奨励賞】

豊竹希太夫 「錦秋文楽公演『本朝廿四孝』【景勝上使の段】」の成果
(第1部門:伝統芸能・邦舞・邦楽)

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〈受賞理由〉
「錦秋文楽公演『本朝廿四孝』【景勝上使の段】」における豊竹希太夫の浄瑠璃は、声が良く伸びて安定感があり、人物をよく把握して、語り分けにもめりはりがあった。今年度は新型コロナ感染症対策による厳しい状況で、公演も激減したが、そのなかでの進境には著しいものがあり、今後のさらなる活躍が期待される。
〈略歴〉
2012年4月国立劇場文楽第20期研修生。2014年豊竹英太夫(現・六代呂太夫)に入門。
豊竹希太夫と名のる。平成16年7月 国立文楽劇場で初舞台。第41回(平成24年度)文楽協会賞受賞。第34回(平成26年度)国立劇場文楽賞文楽奨励賞、平成30年度文楽協会賞、第39回(令和元年度)国立劇場文楽賞文楽奨励賞。


沢村さくら 「沢村さくらニ十周年記念曲師の会」の成果
(第2部門:現代演劇・大衆芸能)

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〈受賞理由〉
浪曲の曲師、沢村さくらは入門二十周年記念の「曲師の会」を開催した。東京で入門し、2005年以降は大阪で活動。この会では東西の浪曲師の三味線をつとめて関東節、関西節を見事に弾き分け、曲弾きや解説も交えて浪曲の魅力を存分に伝えた。巧みな技や企画力に加え、曲師の存在の重要性を示したことも合わせて評価された。 
〈略歴〉
山形県出身。2000年3月に曲師沢村豊子に弟子入り。同年11月浅草木馬亭「国友忠の会」で初舞台。東京で活動していたが2005年に大阪へ拠点を移す。2015年から「曲師の会」を年3、4回のペースで開催。2016年「沢村豊子・さくら曲師の親子会」を大丸心斎橋劇場と浅草木馬亭で行う。2017年「小林正明写真展 日日是浪曲―曲師さくらの世界」が大阪、東京、名古屋のキャノンギャラリーにて開催され、同名の写真集が発売。2018年より「浪曲三味線ワークショップ」を主宰。令和2年「沢村さくらの浪曲三味線教材DVD」を発売。第18回(令和3年)上方の舞台裏方大賞受賞。


橋本匡市 オンライン配信を活用した演劇公演の企画上演
(第2部門:現代演劇・大衆芸能)

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〈受賞理由〉
コロナ禍により多くの演劇公演が中止・延期を余儀なくされる中、企画主任を務める小劇場・ウイングフィールドでいち早く5月に配信プラットフォームを開設。この「仮想劇場」を用いた短編演劇祭も企画した。表現の場を守ると共に、若手と映像系クリエイターを結ぶなど、出会いの機会も創出。劇場の在り方を模索した。
〈略歴〉
近畿大学文芸学部芸術学科卒業。伊丹想流私塾第16期卒塾。2005年に劇団「尼崎ロマンポルノ」を旗揚げ。作・演出を担当。2012年に解散後、演劇ユニット「万博設計」を立ち上げ。「普通の中の異常」と「異常の中の普通」を揺らめく演劇を標榜し活動開始。団体として令和元年度「文化庁芸術祭」優秀賞受賞。個人として「若手演出家コンクール2019」優秀賞、「佐藤佐吉賞2016」優秀宣伝美術賞受賞。またウイングフィールドの企画主任として「WINGCUP」「ディレクターズワークショップ」等の企画立案を行う。


環バレエ団 「オータム・バレエ・コンサート」の成果 
(第3部門:洋舞・洋楽)

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〈受賞理由〉
1964(昭和39)年に団を創設し、2019(令和元)年大晦日に逝去した環佐希子によるモダンバレエ5作品を上演。追悼・顕彰にとどまらず、その時代を超える魅力を余すところなく見せた。他にサイトウマコトによるエネルギッシュな群舞と奇抜な発想が哀切を誘うコンテンポラリー作品、「くるみ割り人形」と、幅広い対応力を実証するレベルの高い公演であった。
〈略歴〉
環佐希子は11歳よりバレエを始め、1963年パリへ留学。マダム・ノラ、イリック、スペイン舞踊の第一人者テレジオ・パラシオ、さらに身体矯正法で有名なクニヤゼフに習う。帰国後、1964年に環佐希子を団長に環バレエ団設立。1965年1月より大阪青少年会館、大阪フェスティバルホール、厚生年金会館大ホール、メルパルクホール等で毎年公演を開催。
奈良、神戸、和歌山、関西一円に支部教室をもつ。2004年に現在のスタジオに移転。クラシックバレエ、創作バレエ、スペイン舞踊、コンテンポラリー等幅広く活動を続けている。


會田瑞樹 「ヴィブラフォンソロリサイタル in OSAKA」の成果
(第3部門:洋舞・洋楽)

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〈受賞理由〉
関西の作曲家の新曲を集めた公演において、優れた企画力、確かなテクニックで魅了した。相撲を音楽にした「相撲ノオト」など、ユーモラスな曲を披露し、楽譜も展示。作曲家らが会場で解説も行った。敬遠しがちな現代曲の数々を、親しみやすく紹介することに成功した。今後さらに充実した活動が期待される。
〈略歴〉
2010年日本現代音楽協会主催「競楽Ⅸ」第2位入賞と同時にデビュー。これまでに300作品以上の新作初演を手がけ「初演魔」の異名をとる打楽器/ヴィブラフォン奏者。2019年第10回JFC作曲賞に入選し、作曲家としても頭角を現す。同年最新アルバム「いつか聞いたうた ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情」を発表し各専門誌にて絶賛。東京オペラシティ文化財団B→C會田瑞樹パーカッションリサイタル(仙台/東京)は大成功をおさめ、NHK-FM「現代の音楽」で2週に亘り放送。また、ライヴストリーミングスタジオ渋谷SUPER DOMMUNEにて5時間生放送されるなど、新世代の芸術家として多彩な活動を展開。


以上
なお、現下の状況を鑑み、公開の贈呈式は開催されませんでした。

【川嶋みほ子】

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