大阪ブランド情報局

大阪ミナミ活性化の束ね役

松本孝さん

 大阪ミナミでは阪神電鉄の近鉄難波乗り入れ、キタでは中之島、梅田界わいの再開発、アベノでは近鉄グループのターミナル整備――大阪市内の地域間競争は激しくなるばかり。負けてたまるか、とばかり「ミナミまち育てネットワーク」がこの秋、約40日間に及ぶ「大阪ミナミ芸術祭」を仕掛けた。このネットワーク、似たような目的だった「ミナミ活性化委員会」と「ミナミまちづくりフォーラム」が去年末、大同団結してできた組織。経済界、行政など約130会員。会長は山中諄・南海電鉄会長兼CEOが就任、「フォーラム」会長だった松本孝・三和実業社長(76)は執行役となり、実質的な束ね役。
「これまでは提言にとどまっていたのを、統合をきっかけに集客するための仕掛けをして実行していこうということだ」
 「ミナミ芸術祭」はシンポジウムを含めて8本立て。「大阪ミナミ映画祭」では、ミナミにゆかりのある映画「横堀川」「悪名」「沓掛時次郎」など6作品を上映。「ミナミジャズフェスティバル」は、ミナミがわが国のジャズの発祥であることにちなんで16会場でライブショー。「ミナミブランド商品」のミナミビール、ミナミワイン、ミナミ吟醸の販売もあった。
 松本さんは一代で、ミナミを拠点に60店もの喫茶店チェーンを作り上げた。1号店のある周防町(大阪市中央区)を「ヨーロッパ村」と名づけたのは松本さんという。

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 関西学院大を卒業して日本ビクターに入って約10年。大手家電メーカーの傘下に入ったのをきっかけに退社して渡米し、勢いづいていたフードビジネスを学ぶ。約10カ月後に帰国してから、喫茶店経営に乗り出す決意を固めた。
 「喫茶店はロケーション産業」との考えから、出店先は主要駅ターミナル、有名百貨店、地下街にこだわり続けている。「米国で女性パワーを肌身で感じた。日本も21世紀の中核を作っていくのは女性」と、高級喫茶「英国屋」は豪華なインテリア、上品なカップで女性客をねらう。
 主に食関係の経済活動にも取り組み、97年には大阪外食産業協会長として「食博覧会・大阪」を指揮した。いま、関西経済同友会の大阪「食文化」プロデュース委員会の委員長。会員の行き付けの飲食店を紹介したガイドブック『食を愉しむ 関西経済人いちおしの店』の編集を担当した。松本さんは「予想以上に好評だったので、店の範囲を広げて2冊目を近く出す」。関学大講師として後輩に「ベンチャービジネスとまちづくり」を講義している。
(文:七尾隆太 写真:仲田千穂)

取材日:2009年10月30日

〔参考〕
ミナミまち育てネットワーク http://www.minami-machi.net/index.php