大阪ブランド情報局

「なにわなんでも大阪検定」に尽力

中野亮一さん

 「江戸時代、大阪・道頓堀川に架かっている日本橋は、大阪では12しかない、ある特徴をもった橋の一つだった。その特徴は?」
 (1)町人が私費で管理していた、(2)江戸幕府が管理していた、(3)2階建て構造だった、(4)鉄製だった。 

 大阪商工会議所が6月に初めて実施したご当地検定「なにわなんでも大阪検定」の3級、100問のうちの1問。正解は(2)、正答率は36%だった。
 第1回の受験者数は3級、2級を合わせて5822人。目標の5000人を上回った。平松邦夫大阪市長や野村明雄大商会頭も挑んだ。合格率は89・1%。
 全国のご当地検定数は200を超す。一時はブーム状態になったが、最近では受験者数の減少に悩むところは少なくない。この時期、大阪があえて踏み切ったのは、大商地域振興部の中野亮一課長(47)の熱い思い入れがあったことが見逃せない。
 「大阪といえば、いわゆるコテコテのイメージでしか語られない」ことに、中野さんは歯がゆく思っていた。「京都、神戸の企業が東京などに本社を移さないのは、大阪のブランドイメージが悪いことも一因ではないか」。京都商議所が開いたご当地検定の研修会に参加して検定の効用を学んだ。検定実施には大商内でも消極的な声が強かったが、「受験者に、大阪の多面的な顔を知って大阪のスポークスマンになってもらいたい。地元の人が誇れる街でないとよその人が来ても楽しくない」と説いた。

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 大阪検定の特徴の一つは、出題範囲の広さ。産業、スポーツ、芸能なども含まれる。「ご当地検定の問題はとかく古い歴史に偏りがちだが、大阪は近代の産業史抜きには語られない」。二つ目に、実利の大阪らしく、さまざまな特典を用意した。合格者は海遊館、大阪城天守閣など美術館、博物館などの入場料が割り引かれる。検定を盛り上げるための関連イベントも開いた。今夏実施した「大阪検定ミナミラリー」もその一つ。ミナミの16店の店先に問題を掲示、5割以上の正解者には割引クーポンを贈った。
 中野さんは大商ではもっぱら、経済産業部、地域振興部、国際部の事業畑を歩んできた。この間、91~93年に在パキスタン日本大使館に2年間勤務した経験がある。この秋、「受験者の気持ちになってみよう」と、神戸学検定(神戸商議所主催)、生まれ育った地の泉州検定(NPO法人・りんくうフォーラム主催)を受験、首尾よく合格できたという。
 第2回目の検定は10年7月初めの予定だ。「大阪人と思っている人は、検定に合格していないと恥ずかしいという雰囲気になっていけば」。3、2級に加えて、2級合格者を対象に1級も初めて設ける。        

(文:七尾隆太 写真:谷川瑠美)

取材日:2009年11月17日

〔なにわなんでも大阪検定〕
http://www.osaka-kentei.com/