大阪ブランド情報局

経済効果の試算で元気づけ

宮本勝浩さん

  専門領域は「国際経済」「理論経済学」。毎年、ロシアと中国の地域経済を分析して英語の論文を発表している。だが、宮本勝浩・関西大大学院教授(64)、世間では数々のトピックスの経済波及効果の試算やテレビのコメンテーターとして知られる。
 城島が阪神入団を表明したら、すかさず「城島加入による経済波及効果は約110億円」との試算を公表、話題を集めた。来季の阪神甲子園の観客数、グッズの売り上げ、ファンの飲食回数、関係者の消費など幅広いデータを基に「産業連関分析」した結果だ。阪神ファン数十人に聞き取り調査もした。先生は子どものころからの阪神ファン。「城島が阪神に入ってくれたらいいなと思って、データを集めていたが、波及効果が100億円を超すとは思わなかった」
 阪神優勝(03年)、和歌山電鉄貴志川線たま駅長(08年)、食いだおれ人形(09年)など、これまで手がけた経済効果の試算は20回以上。「試算結果がマスコミなどで話題になって、地元経済に貢献できれば」

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 大阪府内の45大学で組織している「大学コンソーシアム大阪」の設立にも係わった。「目的は、大学の連携による関西からの学術の発信」と宮本先生。大阪大、大阪府立大、大阪市立大の学長3氏の情報交換の場を設けるところから始まった。コンソーシアムは03年に発足、大学間、高校・大学間の交流事業などを進めている。他大学の科目を履修しても自大学の単位となる「単位互換制度」なども実施。その一環として、経済界の協力を得て大阪食文化論、大阪産業論など「大阪学」なども開講、一般市民にも開放している。活動が軌道に乗ったので宮本先生はいま、事務局顧問。
 大阪府立大経済学部教授、経済学部長、副学長を歴任、06年から関西大大学院会計研究科教授。財団法人 堺都市政策研究所理事長(大阪府堺市)として堺経済の調査研究、まちづくり支援活動などにも携わる。豊かな学殖と歯切れのいい発言力で、MBSテレビ「ちちんぷいぷい」、テレビ大阪「ニュースBIZ」のコメンテーターとしても活躍中だ。
 大阪経済の活性化については「規制緩和と分権化の推進」とともに、「人口激減の緩和策」を。「大阪府内の人口が30年までに、和歌山県の人口と同じぐらいの100万人強減ると予測される。そうなれば、生産力、消費力だけでなく文化、スポーツなどいろんな面で活力がなくなる。人口を増やすのは難しいにしても、住みたくなる街づくり、企業誘致などに力を入れて、減り方を緩くすることが必要だ」

(文:七尾隆太 写真:谷川瑠美)

取材日:2009年11月16日