大阪ブランド情報局

「粉もん」の魅力を全国にアピール

熊谷真菜さん

  第1位たこ焼き(大阪)、2位お好み焼き(同)、3位お好み焼き(広島)――。朝日新聞が、鉄板で焼いて作る粉もんの「日本一」をホームページでアンケートしたところ、大阪のたこ焼きがトップになった(8月5日付夕刊)。
 もっとも地元では、「大阪をたこ焼き、お笑いだけで語ってほしくない。もっとほかにもすばらしい食文化があるのに」という声も。これに対して「うどん、たこ焼き、お好み焼きといった『粉もん』はだれもが楽しめる愛すべき庶民の食文化。おいしさの入門編として各地から注目されている、いわば食の都大阪の入り口にあたる。玄関を通らないで奥座敷にはたどりつけない」と考えるのは、食文化研究家の熊谷真菜さん(48)=大阪府在住。「昆布だしベースのおだしと小麦粉、野菜の最強コラボレーション、いわば大阪の味の原点。おいしい粉もんの店がある商店街はにぎわっている」
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 03年5月7日、粉もん好きが集まって日本コナモン協会を設立、会長に就任した。「コナモン(粉料理、粉食文化)を楽しく探求し、おいしく食べて、面白く伝え合う」のが目的。5月7日を語呂合わせで「コナモンの日」と定め、登録した。以来、さまざまな交流会、イベントを各地で開催してきた。
 熊谷さんらの活動が火付け役になったのか、昨今、粉もんによる町おこしが大はやり。テレビ出演、執筆、講演や「ご当地グルメ」のイベント審査員などに引っ張りだこだ。10月は岐阜市内で開かれた「岐阜県粉もん創作グランプリ」、9月には、秋田県横手市で開かれた「第4回B-1グランプリ in 横手」で、石毛直道・国立民族学博物館名誉教授とともに1回目から特別審査員を務め、12月にはドイツ、フランクフルトでたこ焼きを紹介する。
 長野や大阪、東京、東北では「コナモン博覧会」が開催。町を博覧会場に見立て、会期中にさまざまな粉もん店を食べ歩きしてもらう趣向だ。
 熊谷さんが本気でたこ焼きを調べ出したのは、立命館大で卒業論文のテーマに選んでから。高校時代から故多田道太郎・京都大名誉教授が主宰する「現代風俗研究会」に属して、フィールドワークの手法を学び、調査、研究を続け、93年『たこやき』(リブロポート)でデビュー、「タコヤキスト」と呼ばれ全国をまわる。07年には、朝日新書『「粉もん」庶民の食文化』を出した。
 最近は、「大阪うどんの味わいをわかる人が減ってきた。大阪うどんを何とかしたい」と力説している。

(文:七尾隆太 写真:ショーン・ケンジ・マドックス)

取材日:2009年9月8日

〔参考〕日本コナモン協会ホームページ http://www.konamon.com/