大阪ブランド情報局

「水都大阪」をプロデュース

北川フラムさん

作る、遊ぶ、踊る、語る、食べる……。大阪・中之島公園が8月22日から52日間、ユニークな劇場に衣替えする。大小7つの仮設小屋や広場から成るこの劇場名は「水辺の文化座」。大阪挙げてのイベント「水都大阪2009」のメインプログラムで、全国から集まる100組を超すアーティストたちが、日替わりで色々なワークショップを繰り広げる。「人間の活動の全領域、五感を総動員した面白くて元気の出る場にしたい」とアートディレクター、北川フラムさん(63)。橋爪紳也・大阪府立大特別教授とともにプロデューサーを務める。
 北川さんは「水都大阪」について、「大阪は難波津の昔から大大阪の時代まで『瀬戸内海のへそ』だった。海、川を通って全国、アジアからいろんな人たちが大阪をめざした。海、川、水を背景とした地勢を生かして、大阪を再び『人のるつぼ』にしようとする動きは応援したい」。
 そのためには「美術が一番いい」。なぜなら「美術以外のあらゆるものが、うまく、早く、正しくと言うのに対して、美術だけが人と違うことに価値を見出す。多種多様のアーティストが集まって接する中から、他都市との違いが生まれる」と言う。

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 アート企画会社、アートフロントギャラリー(東京)代表として、全国各地のアートイベント、まちづくりなどを数多く手がけてきた。新潟県十日町市、津南町で開かれている国際美術展「越後妻有アートトリエンナーレ2009」は代表例。初回の2000年から総合ディレクターを務めてきた。今回は約40カ国・地域の約350作品が展示されている。9月13日まで。ほかに新潟市美術館長、女子美大教授なども務め、「眠る時間が足りない」
 阪神・淡路大震災の2日後現地入りし、1カ月ほど東京・神戸を往復しながらボランティア活動を続けた。関西との縁が特に強まったのは震災後という。07年から2年間、大阪市内の歴史的建造物などに作品を展示する「大阪・アート・カレイドスコープ」をプロデュース、好評だった。この展示会は「水都大阪」で「水都アート回廊」として受け継がれる。
 新潟県生まれ。フラムは本名。アムンゼンの南極探検などに使われた「フラム号」に因んで父がつけた。
 「東京が企業グループで仕事をするのに対して、大阪は人のつながりを大事にするので好き」と言い、大阪を元気にするには「よそから来る人を巻き込んで大阪ファンを増やすこと。100組のアーティストたちが『大阪は面白いぞ』と言ってくれることを望みたい」。

(文:七尾隆太 写真:谷川瑠美)

取材日:2009年6月26日

〔参考〕

水都大阪2009 http://www.suito-osaka2009.jp/

アートフロントギャラリー http://www.artfront.co.jp/jp/index.html