大阪ブランド情報局

大阪市内に水陸両用バスを運行

須知裕曠さん

 大阪の桜の名所、桜之宮公園。水陸両用バスが園内のスロープから大川に入る。跳ね上がる水煙に満員の乗客から大歓声。陸上は6本のタイヤで走り、水上ではスクリューを回す。ゆったりしたスピードで15分、大川を遊覧し、八軒家浜辺りでUターンして再び桜之宮桟橋へ――。
 運行主体はNPO法人「大阪・水かいどう808」。去年12月から「大阪ダックツアー」と名付けて1日5便、定期運行している。水陸両用はわが国では初めてとあって、人気は上々という。
 バスは米国製の2階建て。定員39人。車両のデザインは「水の道」をテーマに、アーティスト日比野克彦さんが大阪市立育和小(東住吉区)の児童たちと合作した。ナンバーは「大阪230 あ・808」。かつての「なにわの八百八橋」にちなんで取得した。
 ツアーはシティプラザ大阪(大阪市中央区本町橋)を出発、大川クルージングの後、御堂筋など市内を巡る約100分のコース。料金は大人3600円。

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 道すがら、NPO理事長、須知裕曠(やすひろ)さん(61)がガイド。野太い声で「『くいだおれ太郎』の身長は?」「御堂筋の名前の由来は?」などと、ユーモアを交えながらうんちくを傾ける。
 「物珍しさだけでなく、ガイドの善し悪しが根付かせるカギ。大阪市営の定期観光『にじバス』がなくなった今、大阪再発見のためにも必要」と須知さん。離阪以外の日は大抵、ガイド役を買っているが、「指名もかかる」と笑う。今年1月からは、バスとは別に「水陸両用タクシー」の運行も開始した。こちらは客からの依頼で走らせるハイヤー仕様。
 須知さんは大阪・十三生まれ。「淀川べりでチャンバラしながら育った」。建設機械商社勤務のあと、35歳で脱サラして居酒屋を開いたが、55歳で廃業。ボランティア活動に本腰を入れ始めた。「大阪は水の都、と言われる割には川に関心を持つ人や水の大切さを認識している人が少ない」と須知さん。川からの「水都再生」をめざし、実に多彩なNPO活動を展開してきた。 
 オーナーを募って、道頓堀川で淡水真珠の母貝を育てたり、御堂筋打ち水作戦を展開したり、大阪・淀川市民マラソンを毎年開いたり……。母貝のイケチョウ貝は水質浄化の役目を果たすといい、去年は淀屋橋、帝国ホテル大阪付近の大川に入植した。
 「道頓堀川で泳ごうや」と、2010年8月8日午後4時から、道頓堀川・大水泳大会の開催を宣言している。
(文:七尾隆太 写真:ショーン・ケンジ・マドックス)

取材日:2007年11月30日

[参考]
NPO法人大阪・水かいどう808 http://www.mizukaido808.com/