大阪ブランド情報局

西梅田から音楽コンテンツ事業を発信

北口正人さん

 ほの暗さのなかにブルーの照明が映えるシックな店内。間近に見るライブステージが全身に響く――。食事をしながら国内外のアーティストのライブが楽しめる「ビルボードライブ大阪」。大阪・西梅田の「ハービスPLAZA ENT」地下2階にあり、界わいのエンターテインメントの人気スポットになっている。ジャズクラブ「大阪ブルーノート」にブランドチェンジし、去年8月にオープンした。経営を手がけるのは、阪神電気鉄道の全額出資の子会社、阪神コンテンツリンク(本社・大阪市)。北口正人常務(47)は「大人が楽しめる、おしゃれなライブ空間をめざしている」と言う。
 

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 阪神電鉄が音楽事業に乗り出したのは80年代末、西梅田地区の再開発を控えていた時期だ。電鉄会社にとっておよそ畑違いの分野であるだけに「かなり画期的なことだった」と企画段階からかかわって来た北口さんは振り返るのは。90年に「大阪ブルーノート」の開業にこぎつける。「新規事業を理解し、部下を信頼してまかせてくれた上司がいたからこそ実現した」。 
  大阪ブルーノートは約17年間続いたが、「ジャズだけでなく広いジャンルの音楽を聴きたい、という顧客の声が強まってきたから」、ブルーノートとの契約を解除し、ビルボードライブに衣替えした。米国ビルボードとは06年にマスターライセンス契約を結んだ。ビルボードは1894年創刊の音楽情報誌。ブランド力は世界的に知られている。「交渉には約4年かかった」と北口さんは明かす。現在はジャズだけでなく、ロック、ソウル、ブラックミュージックなど多彩なミュージシャンが登場する。 
 ライブハウスの歴史を調べていて気がついた。ライブハウスは大阪が発祥地であることに。そんなDNAを秘めるように、大阪とほぼ同時期に東京、福岡にも進出した。「ブルーノートがニューヨークのジャズクラブの直輸入とするなら、ビルボードライブは、それを『クラブ&レストラン』に改良した新しいモデル」と言う。ライブにとどまらず、洋楽が聴けるビルボード公式の「着うた」「着メロ」のモバイルサイトを昨秋開設、今年2月からはビルボードの独自ノウハウによるチャートの日本版の配信も始めた。ほかにも映像制作など幅広く事業展開していく構えだ。
 北口さんはジャズ好きで、高校、大学時代はバンドでドラムスだった。今でも時折、家族とミュージカルやポップスのライブに足を伸ばす大の音楽ファン。北口さんらの大阪発コンテンツ開拓の挑戦は続く。
(文:七尾隆太 写真:竹内 進)

取材日:2008年8月4日

[参考]
Billboard Live http://www.billboard-live.com/index_h.html