大阪ブランド情報局

「中之島国際音楽祭」を企画、演出

木田好子さん

 「週末の朝、中之島(大阪)を散歩がてらに、音楽会を気楽に楽しみませんか」と呼びかけるのは、音楽プロデューサー木田好子さん(59)=兵庫県宝塚市在住。大阪市中央公会堂で、コンサートシリーズ「朝の光のクラシック」を04年から続けている。開演は毎回、土曜日午前10時半から。会場の照明は一切使わず自然の窓あかりを採り入れている。演奏は主に関西出身の有力な若手音楽家で、料金は千円と安い。
 カーネギーホール(ニューヨーク)で朝、昼、夜と1日に3回、音楽会が開かれているのを知り、大阪文化のシンボルの公会堂で、と思い立ったという。「クラシックのすそ野を広げたい、若い才能を育てたい」と木田さん。9月13日に39回目が開かれる。
 同公会堂を会場に06年に始まった「中之島国際音楽祭」(大阪市など主催)の総合プロデューサーも務める。「大阪の音楽のテーマパークをめざしている」。3回目の今年は、11月22日から3日間繰り広げられる。「ピアノ」をテーマに、ロン=ティボー国際音楽コンクール優勝の田村響、上海国際ピアノコンクール優勝のホ・ジェウォン(韓国)ら若手ピアニストらが出演。来年生誕100年に当たる大阪生まれの指揮者・作曲家、故貴志康一のオペレッタ「なみ子」の初演、鷲田清一・大阪大総長のトークなども組まれ、“音楽の秋”を彩る。

Kida_000_9008 Kida_000_8988

 木田さんは4歳からピアノを習い始める。相愛女子大(現相愛大)ピアノ科・研究科に進み、卒業後、相愛高音楽科講師になった。88年、旧友だったバイオリニスト五嶋みどりの母、節さんから、ボランティア演奏の会場探しを頼まれて駆け回る。このころから音楽マネジメントの必要性を強く感じ、手作りコンサートなどを手がけるようになる。95年暮れ、自宅を事務所に音楽マネジメント会社「ハーベストコンサーツ」を設立。社名は「実り多くなるように」と友人が命名した。持ち前の明るさと行動力で、活動と支援の輪を広げていく。
 中之島のリーガロイヤルホテルのチャペルで年数回開いている「Rのコンサート」は80回を超え、美術と音楽を連動させた国立国際美術館の館内コンサートは10回を数える。
 木田さんは「バイオリニスト大谷玲子、神尾真由子、黒田侑始め、関西はいま優れた演奏家の宝庫。中之島のフェスティバルホールも再建新装される。一連の中之島コンサートが、ぽつりぽつりと『点』公演している状態から、中之島全域をネットワーク化させて、大阪の『音楽力』の発信拠点にするのが夢」と話している。

(文:七尾隆太 写真:竹内 進)

取材日:2008年8月11日