大阪ブランド情報局

美声生かして日中の架け橋

孔 怡さん

 ラジオ、テレビ、時には空港や商店街で、中国・上海生まれの孔怡(コウイ)さん=大阪府豊中市在住=の日本語や中国語を聞いたことがあるに違いない。明りょうで、透き通った美声に、誰だって耳をそばだてたくなる。
 多言語放送「FM COCOLO」では、95年の開局以来のディスクジョッキー(DJ)。現在は、関西に住んでいる中国人向けの中国語番組「華夏之声」などを担当している。NHK「関西ラジオワイド」の「アジアワールドリポート」にも毎週月曜の夕方、生出演、中国情報を届けている。00年までの7年間は、NHK大阪のテレビ番組「アジアマンスリー」のキャスターを務めた。

Kon_dsc_8337 Kon_dsc_8390

 日中交流の機運が高まっていた80年代半ば、上海外国語大に進み日本語を学んだ。語順、発音などが中国語とまったく違うので最初はなじめなかったが、「3年ほどして夏目漱石などの小説を日本語で読めるようになったら面白くなった」。日本の文化、生活に接してみたくなって86年に来日。友人の紹介で、NHK衛星放送のニュースの翻訳や同時通訳、通訳などをしながら、東京に7年間暮らした。
 仕事の都合で93年に大阪に移り、関西が気に入ってそのまま大阪を拠点に活動を続けている。「大阪は、東京と違って肩に力を入れなくても大丈夫なアジア的エリア。歴史、文化が豊かで庶民的なところは上海と気質が似ている」。
 ラジオ、テレビ以外に、京阪神の行政の国際交流、まちづくりなどの委員、講演、プロデューサーなど活動の舞台は広がる一方で、「肩書きを聞かれると困るんです。中国、上海と日本の架け橋、かな」。
 で、関西の観光について聞いてみると、「関西は歴史、文化、自然、グルメ、買い物……と、すべての観光要素を持っているので、中国人がもう1回来て見たいところ。そのためには、もっとプロ意識を持って、あこがれるような都市にプロデュースしないと。空港のナレーションになまりのある中国語を使っているようではだめ」と、声の使い手らしい処方。「競争相手は国内の他都市ではなくて海外の都市」と強調する。
 新年早々、観光庁から「ようこそ大使」に任命された。「日本人はまだまだ、中国との文化、習慣の違いに気づかない。異文化に対する理解が必要だ」。大阪と上海の行き来はこれからも続く。
(文:七尾隆太 写真:竹内 進)

取材日:2008年12月3日

[参考]
FM COCOLO http://www.cocolo.co.jp/
素敵な上海♪(ブログ) http://shanghai.areablog.jp/kou-i