大阪ブランド情報局

大阪ブランド戦略を後押し

寺田千代乃さん

 大阪に転勤して来た人に印象を聞くと、「思ったよりいい」「聞いていたより悪くない」との返事がかえって来る。大阪が汚い、怖いといった悪いイメージで見られるのは先入観なのでは―。
 こんな考えを持っていたアートコーポレーション(本社・大阪府大東市)の寺田千代乃社長(60)は02年春、関西経済同友会の代表幹事に就任時の記者会見で「大阪ブランドの向上」を訴えた。「大阪のいいところを抽出して磨きをかけたら都市のブランド力があがるはず」

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 身長150センチと小柄だが実行力は抜群。大阪府、大阪市にも働きかけて、産官学8団体による「大阪ブランドコミッティ」発足に力を貸した。活動は04年9月のスタート時から3年間。活動資金として、アートが府、市と同額を拠出したことはあまり知られていない。
 コミッティは大阪の魅力・強みの再確認、イベントの開催、ウェブサイト「大阪ブランド情報局」の開設など多彩な情報発信を展開、07年3月にひとまず役割を終えた。「大阪の強みがわかったが、あり過ぎる。いかにうまく発信していくかが今後の課題」と寺田さん。コミッティの活動は21世紀協会に引き継がれた。
 寺田さんの地域ブランドに対する考えは、自社の経営を通して育まれたようだ。68年、結婚と同時に夫寿男氏と運送会社を設立、76年に業界に先駆けて「アート引っ越しセンター」を創業する。社名を「アート」にしたのは、電話帳に「あいうえお順」に掲載されていたから。電話番号の下4ケタ「0123」は、覚えてもらいやすいだけでなく「0からの昇り番号だから」。数々のアイデアを生み出して育て、スタート時7人だった従業員は、いまグループ全体で約2500人。引っ越し専業ではトップ企業。さらに、引っ越しを核に、保育園事業、家事代行、部屋の片付けサービスなど「暮らし方を提案する総合サービス業」へ大きくカジを切りつつある。
 女性初の関西経済連合会副会長、「美しい大阪をつくる100万本のバラの会実行委員長などとしても活躍、「大阪ブランド」として欠かせない存在だ。
(文/七尾隆太 写真/仲田千穂)

取材日:2007年12月13日