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2007年11月16日 (金)

ナイトシアターで楽しむ能・狂言

Photo 大阪に住み、働く人々や国内外からのビジターが「豊か」で「楽しく」、「安全」かつ「文化的」なナイトライフを過ごすことができる魅力ある町づくりを目指して実施されている「大阪ナイトカルチャー」。
演劇やコンサートなどのレイトショーの普及や、夜型エンターテインメントの開発などを推進するものですが、それに参画している「大槻能楽堂自主公演能」に参加してきました。

午後7時開演。
会場の大槻能楽堂は、谷町四丁目から300mという便利な立地ですが、仕事を終えてから余裕を持って参加するには、もう少し開始が遅いと助かる・・かもしれません。

<狂言>昆布売
 家来なしで仕方なく一人で出かけた地方の大名が、通りがかりの昆布商人に昆布を全部買ってやると言って無理やり太刀持ちをさせます。傲慢なふるまいに昆布商人が怒り出し、太刀を抜いて大名を脅迫。平家節や踊節で昆布売の口上を歌わせてさんざんいたぶった挙句、太刀をもったまま逃げる・・というお話。
一瞬にして起こる主客転倒、最初は嫌がっていた大名が、だんだん口上が面白くなって踊りだす”お調子者”ぶりなど、風刺がいっぱいつまった笑いの世界でした。

<能>三井寺
世阿弥作の狂女者(四番物)。行方不明のわが子を思うあまり狂女となった母。三井寺の僧が撞いた鐘の音に惹かれ、謡い、舞う姿を見て、寺にいた稚児が自分の母親だと気付きます。互いに母子の名のりをあげ、故郷に帰っていくという物語。
”狂女物”という言葉から連想する激しい子どもへの想いや狂乱の様子が前面に出されることはなく、琵琶湖に映る月、三井寺の鐘の音といった美しい情景が静かに描かれている作品でした。

指定席となっている舞台正面側はほぼ満席。
当日にあらすじの載ったパンフレットをもらえますので、初心者でも「能」の雰囲気を楽しむことは十分に可能です。今回は、演奏部分について、大鼓、小鼓、笛、地謡が、どうやって合わせているのか最後までわかりませんでした。調べてみると、打楽器を担当する人のかけ声が指揮者の役割、あとは息遣いでタイミングをはかっているそうです。
前もって能面のこと、衣装のこと、楽器のことなどを勉強していけば、もっともっと面白くなること間違いありません。
終演は午後9時。まだまだお店も電車も大丈夫。
ぜひ「ナイトシアター」を楽しんでみてください。

 

by CA

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