【ご報告】6/7「日本食 Wonder Trip」を開催しました
大阪・関西万博 ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」パビリオンデー
日本食 Wonder Trip ~世界に誇る日本食魅力発見の旅~
2025年6月7日(土)/EXPOホール「シャインハット」
関西・大阪21世紀協会は、大阪外食産業協会、食博覧会実行委員会との共催により、大阪・夢洲で10月まで開催中の大阪・関西万博会場のEXPOホール「シャインハット」で、ORAパビリオン・パビリオンデー「日本食 Wonder Trip ~世界に誇る日本食魅力発見の旅 ~」を開催しました。
日本各地の多彩な地域特性をいかしながら育まれてきた日本食。その中でも「和食」は「日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的に注目されています。このイベントは、世界中から多くの人々が集まる万博を絶好の機会に、日本食・和食の魅力を世界に発信するとともに、次世代へと継承していくことを狙いの一つとしています。
フードコラム二ストの門上武司さん、大阪大学総合学術博物館副館長の船越幹央教授を解説者に、テレビでも人気のフリーアナウンサー・八木早希さんが総合司会を務め、日本食と和食の成り立ちや歴史を、映像と解説、クイズを通じて紹介しました。
プログラムは「日本食(和食)の精神世界へ」「日本食の魅力を紐解く」「世界へ誇る日本食」の3パートで構成。門上、船越の両氏が専門家の立場からトークを繰り広げ、合間を縫って4択クイズが出題されます。来場者は自身のスマートフォンやタブレット端末を使って参加し、正解数と解答の速さを競います。
①日本食(和食)の精神世界へ
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門上さんは日本食と和食の違いを以下のように説明します。 「日本食とは、現代の日本人が普段食べる料理全般のこと。カレーライス、ラーメン、ハンバーグ、とんかつ、オムライスなど、外国由来で日本独自の進化を遂げたものも含まれる。一方、和食とは日本の食文化の根幹を成すもので、素材の味をいかす調理法、だしを基盤とした味付け、米を中心とした構成、季節感を大切にするなどの特徴がある」。 |
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船越さんは、日本の食文化の変遷について解説。 「古来、日本列島では稲作によるコメを中心とする食、四方を海に囲まれた環境で魚介類の食など、固有の食文化が育まれた。また、大陸から禅宗とともに入ってきた茶を始め、様々な外来の文化が日本文化と融合していった。四季のある日本では、正月、節分、端午の節句、七夕などの年中行事が生まれ、それと密接に結びついた食文化も生まれた」。 |
また門上さんによると、「いただきます(頂きます)」、「ごちそうさま(御馳走様」という言葉でわかるように、日本の食文化は神仏と自然の恵と密接にしているとのこと。 |
日本食は、五味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)を基本に、昆布やかつお節のだし汁、味噌や醤油など発酵食品の「旨味」を活用していることはよく知られています。
門上さんは、西洋料理の「ブイヨン」や中華料理の「上湯(シャンタン)」もだしに当たるが、特に「日本料理は水の料理」と言われるほど、水が非常に大切だと強調しました。
続けて、2024年にユネスコ無形文化遺産に登録された日本の伝統的な酒造りに話題は移り、酒は祭事や婚礼など日本の社会文化的行事を支えるものであり、兵庫の灘・京都の伏見・広島の西条という日本の3大酒処はいずれも良質な水に恵まれていることが紹介されました。
③世界へ誇る日本食
2023年の農水省のデータによると、海外の日本食レストランの数は、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを機に、2013年の約5.5万店から2023年には約18.7万店に急拡大したそうです。
その理由は、「健康的な食文化」「繊細な味付けと旨味」「美しい盛り付け」が五感で楽しめる食文化として高く評価されていることだと門上さんは分析し、日本食の魅力として、和食の伝統的な枠を超えた多文化の融合、カジュアルな親しみやすさ、現代的な食文化の進化などを挙げました。そして、「大阪は世界一のフグの消費地だが、世界では未利用魚のフグを食べる習慣が広がれば、世界の食糧難が救えるかもしれない」と提案しました。
最後に船越さんは、初めて来日した外国人も日本食を喜んで食べることから、「実際に食べてみて、舌から目から日本を理解することができるのが食の面白さ。日本食を通して相互理解が進み、国際平和の礎を築くこともできると思う」と締めくくりました。
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この間に出題された7題のクイズの正解がスクリーンに表示されるたびに、満席の会場からは大きな歓声があがっていました。得点が1~3位の人には特賞、4~23位の人には優秀賞、24~73位の人にはパビリオン賞の豪華賞品が贈られました。
最後に、大阪外食産業協会の中井貫二会長は主催者挨拶をし、「日本の食文化が本格的に進化・発展を遂げる契機となったのは1970年大阪万博 だった。それから55 年を経て、日本の食文化は無形文化遺産に登録されるほど大きく成長を遂げた。大阪外食産業協会は、未来社会の実験場でもあるこの万博を世界中に日本の食をアピールできる絶好の機会ととらえ、日本の食文化のすばらしさを再認識してもらうとともに、世界の食文化をけん引する誇るべき遺産であることを知ってもらいたい」と述べました。
当イベント概要:https://www.osaka21.or.jp/event/pavillion_day/
ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」:https://www.expo2025utage.jp/
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