【リポート】第21回 堂島薬師堂節分お水汲み祭り
1年の厄を払い 春の訪れと招福・疫病退散を祈願 |
第21回 堂島薬師堂節分お水汲み祭り |
2024年2月2日(節分の3日が土曜日のため前日に実施) |
大阪の早春の風物詩「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」が2月2日、北新地の堂島アバンザおよび堂島薬師堂(大阪市北区堂島1-6-20)で開催されました。この行事は、大阪キタの活性化と水都大阪の再生を目的に企画された「お水汲み」の儀式と、江戸時代から地元に伝わる節分行事を合わせて2004年から継続して実施されているものです。
2021~22年はコロナ禍で規模を縮小、昨年は万全な感染対策のもとでの実施でしたが、今回は久方ぶりにマスクなしでお互いの表情が見える開催が復活。本番前から参加者・関係者の活気と高揚感がひしひしと伝わってきました。
鬼の入魂式の後、福男・山伏・鬼・豆持ち・ドラ持ちなど1隊7~8名で編成する「鬼追い隊」が堂島・曽根崎新地へ賑やかに繰り出し、飲食店や企業を訪問して厄払いと招福祈願を行ないました。
夕刻からの堂島アバンザ内での舞台催事は、薬師寺の僧侶たちによる「声明」(しょうみょう)で始まります。声明は日本の音楽の原点といわれ、普段は薬師寺金堂内だけで唱えられています。厄除け、疫病退散、招福の願いを盛り込んだ朗々たる声が響き、満員の会場は一気に荘厳な雰囲気に包まれます。
続いて、僧侶が来賓にお香水を汲み、芸妓衆が『寿』『お仙』『堂島北新地お水汲み音頭』の、めでたく艶やかな奉納演奏と舞を披露し、舞台はいっそう華やかさを増します。
クライマックスは、堂島薬師堂に祀られる弁財天の化身といわれる龍が、舞いながらまちを清めていく「龍の巡行」です。
昨年、真っ白にリニューアルし、今年さらにスマートに進化した龍が大勢の担ぎ手とともに力強い姿を現すと、お客さまは驚きの歓声をあげたりスマホで動画を撮影したりして、大いに楽しんでいる様子でした。
最後は触れ太鼓を先頭に、龍と薬師寺僧侶、北新地クイーン、「お化け」(※注)、今年初参加の大阪プロレスの人気の選手5名、そして鬼追い隊など総勢約190名で構成する大行列が、堂島上通り、永楽通り、新地本通りを練り歩いて、お祭りを締めくくりました。
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2024年は元日に能登半島地震、翌日に羽田空港での事故が発生する波乱の幕開けとなり、今なお多くの方々が不安で不便な生活をされていることに心が痛みます。また、海外に目を向けても残酷な争いが止むことはありません。
今、自分たちが平穏な日常を過ごせていることに感謝しつつ、この招福・疫病退散のお祭りのご利益が、理不尽な災難に見舞われ苦しんでいる方々のもとに少しでも届けばと、薬師堂の仏さまと白龍さまにお願いせずにはいられませんでした。
【川嶋みほ子】 |
■主催:堂島薬師堂節分お水汲み祭り実行委員会
(当協会の﨑元利樹理事長は「祭り支援委員会」の委員を務めています)
■公式サイト:https://www.kita-shinchi.org/omizukumi.html
●堂島薬師堂
http://www.avanza.co.jp/avanza/bil_gaiyou/dojima_yakushi.html
推古天皇元年(593年)、勅命により聖徳太子が最初の官寺となる四天王寺を造営した際、資材の運搬船が嵐で難破し、資材が漂着した洲に「堂宇」を建てたと伝えられ、「なにわの守護」として古くから信仰を集めてきた。「堂島」の地名はこのお堂が由来。
●節分お化け
堂島・北新地に伝わる花街の風習。節分の日の夜、女性たちが白塗りや仮装をして、鬼を遣り過すことからできた伝統行事。
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