« 【お知らせ】2024年4月の後援イベント | トップページ | 【ご報告】令和 5(2023)年度大阪文化祭賞の贈呈式を開催しました »

2024年3月29日 (金)

【お知らせ】若手音楽家育成「ライジングスター・プロジェクト」開始

関西・大阪21世紀協会 関西フィルハーモニー管弦楽団 共催事業
関西の若手音楽家を育成する「ライジングスター・プロジェクト」
オーケストラと協演するソリストの公募・オーディションを実施

 関西・大阪21世紀協会は、関西を代表するオーケストラである関西フィルハーモニー管弦楽団(関西フィル)との共催により「ライジングスター・プロジェクト」を開始しました。

 このプロジェクトは、トヨタモビリティ新大阪様から当協会に対し、関西の若手クラシック演奏家支援に役立ててほしいと託された寄付を活用して実施している3つのプログラムのうちの1つ。
 将来活躍が期待される関西ゆかりの若手演奏家の発掘・育成を目的に、公募・オーディションを経て、関西フィルのフルオーケストラと協演する機会を提供するもので、舞台となるのは、関西フィルと首席指揮者・藤岡幸夫氏がクラシック音楽の裾野を拡げるため長年取り組んでいる「Meet the Classic」シリーズの第49回公演(2025年8月/住友生命いずみホール)です。
Img_4815
 同プロジェクト開始に当たり、このほど主催者による記者発表を行いました。それぞれの発言要旨は以下の通りです。

 

■﨑元利樹 公益財団法人 関西・大阪21世紀協会理事長

Img_4786

 私どもはトヨタモビリティ新大阪様からの寄付をもとに、才能豊かな若い演奏家たちに対する活躍の場の創出と地域社会への貢献を目的とする3つのプログラムを展開しています。
 1つ目は、当協会の助成事業・アーツサポート関西の助成制度を活用して、若手演奏家たちの芸術性の高い演奏活動や地域との交流を図るアウトリーチ活動への支援。2つ目は、プロとして歩み始めた演奏家のレベルアップのため、第一線で活躍するベテランによる指導を提供する事業者の支援。そして3つ目が今回の「ライジングスター・プロジェクト」です。
 関西・大阪は非常に古い歴史があり、優れた文化を有する地域です。例えば、関西フィルをはじめとする幾つものオーケストラがあり、そこから多くの演奏家が世界の舞台に出ています。ただ最近はクラシックファンの高齢化などに伴ってコンサート会場に足を運ぶファンが減り、若い演奏家たちは活動の場が減って東京へ流出しているケースが増えていると耳にします。それだけに今回の支援は本当にありがたいです。
 先の2つのプログラムはいずれも、自らの音楽活動を通じて地域に貢献したいなど、若い演奏家たちの熱気が大いに感じられる内容になっています。こうした流れを受けて実施する今回のプログラムにも、ぜひ才能豊かな若い演奏家の皆さんにご応募いただき、自らの成長に役立てるとともに、関西・大阪の文化の振興にも貢献していただければと願っています。

 

■久保行央 トヨタモビリティ新大阪株式会社 代表取締役

Img_4788

 当社の源流は紡績業で「久保惣美術館」も運営しているので、文化芸術には幼いころから身近なものとして興味がありました。そしてビジネスでは地域貢献を大切にしてきました。
 あるとき、若い演奏家たちから「演奏活動だけでは収入が足りない。世の中に演奏を届け、実力を発揮したくても、資金面で自主企画は難しい」という切実な悩みを聞きました。彼らに直接寄付するのは簡単ですが、それだけでは文化支援や地域貢献にはなりません。会社としてもっと広域的に何かできないかと考えていたところ、関西・大阪21世紀協会からこのプロジェクトのお声掛けをいただきました。
 私は関西経済同友会にも属しており、経済と文化は車の両輪、経済が発展すれば文化も発展すると考えてメンバーの皆様とともに活動しています。そして、関西・大阪から若い演奏家を発掘・育成することは文化レベル向上につながるという想いで、協会に寄付を託しました。
 当社はレクサス箕面で月に1度、若手のコンサートを開催しており、大変な人気を博しています。ライジングスター・プロジェクトだけではなく、こうした公演などでも若い演奏家を側面的に応援したいという熱い想いを持っています。

 

■大野英人 関西フィルハーモニー管弦楽団 楽団長

Img_4792※応募要項(応募資格・応募期間・応募方法等)について説明(詳細は下記URLをご覧ください)
 https://www.osaka21.or.jp/event/rising_star/pdf/RSP_youkou.pdf

 応募資格は楽器が30歳以下、声楽は35歳以下と年齢の上限はありますが、普通は20歳以上とされるような下限は設けていません。
 また、関西元気文化圏の2府8県で、通常の関西より広域になるので、ぜひ広く、才能ある演奏家に応募していただければと思います。

 

■藤岡幸夫 関西フィルハーモニー管弦楽団 首席指揮者

Img_4808 私は関西フィルに来て25年になりますが、「Meet the Classic」は来た当初から始めたシリーズで、これまで超一流のソリストを多く輩出しています。
 関西フィルでは、若くて才能のある人にはいきなり大きい舞台を与えるのが私のポリシー。小学4年生で協演し、その後すぐ我々主催公演などに出るようになった演奏家、中学2年で我々の定期演奏会でデビューし、東京芸大へ進んでその後も活躍している演奏家もいます。そういう意味でもこのプロジェクトは私のポリシーに合っていて、大変楽しみです。
 ただ、本当にソリストとして才能があると見込んだ人を選び、大切な舞台を提供するので、該当なしの場合も十分あります。だから、自分は絶対スターになるという気概のある、ライジングスターという名に恥じない素晴らしい人が応募してほしいと思います。
 関西の人は自虐的な発言をする傾向がありますが、東京出身の私はこの25年間、文化度は東京より関西のほうが高いと思ってやってきました。関西には多くのオーケストラがあります。ザ・シンフォニーホールは日本最初のクラシック音楽専用ホールです。宝塚歌劇は、学校があり、劇場が大阪と東京にあり、毎日チケットが完売しています。これは東京のミュージカル団体には真似のできない文化です。ほかにも甲子園の野球あり、花園のラグビーあり、多くの優れた文化が関西にはあります。なによりも、他の地方のトヨタさんは今回のような支援はしないでしょう。
 最後に、報道関係の皆様には、よいソリストを集めるためには応募者を増やすことが大切なので、ぜひ広く告知してくださるようお願いいたします。

 

■ライジングスター・プロジェクト(関西・大阪21世紀協会ウェブサイト)
 https://www.osaka21.or.jp/event/rising_star/index.html
■ライジングスター・プロジェクト(関西フィルハーモニー管弦楽団ウェブサイト)
 https://kansaiphil.jp/information/22646/
■アーツサポート関西ウェブサイト
 https://artssupport-kansai.or.jp/

|