日韓の架け橋に活躍するトップモデル
AHN MIKA(アン ミカ)さん
「ハングル」をつくったことで有名な朝鮮王朝時代の世宗大王は、1万ウォン札の肖像になっている。去年の四天王寺ワッソ(大阪・難波宮跡)で、そ の大王の王妃にトップモデルのアン ミカ(安美佳)さん(36)=大阪市生野区在住=が起用された。身長174センチ。笑顔を絶やさぬ〝王妃〟は多くの登場人物の中でもひときわ華やいだ。在日コリアン2世のアンさんは「厳かな気持ちになった」と振り返る。06年には阿加留比売(あかるひめ)に扮した。以来、ワッソ広報大使として祭りの盛り上 げと日韓交流に一役買う。
初めて訪韓したのは01年。両親のふるさと済州島にお墓をつくるためだったが、祖母と会話ができなかったのがつらかった。翌年には留学を決意、ソ
ウルの延世大語学堂で1年間、韓国語を修める。日韓交流に役立ちたい、との思いを強めたのはこのころからだ。「政治の世界ではなかなか歩み寄れないが、
ファッション、食、ドラマなどの面では両国の国民感情はまったく違う。日韓関係を明るく変えて行きたい」
5人兄弟の真ん中、苦労が多かった。中
学、高校の約6年間、新聞配達を続ける。本人は「今でも早起きなのは新聞配達をしたおかげ。根性もついた」とさらりと語る。モデルを目指したのは、母から
幾度となくかけられた言葉にあったという。「口角を上げて笑顔をつくり、相手の目を見て話すとかわいらしく見えるよ」。門前払いなどにもめげず、93年に
パリコレクションにデビュー、トップモデルとして大舞台に計5回も立った。
頑張り屋はその後も続く。通信教育を受けたり、専門学校に通ったりし
ながら、教育漢字検定、秘書検定、英会話検定など取得した資格は14。アロマテラピーの商品の使い方などをアドバイスする「NARDアロマアドバイ
ザー」、野菜と果物の〝ソムリエ〟「ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター」といった資格も。「来日して苦労した父から、たくさんの人に必要とされ、
社会の役に立ち喜んでもらえる資格を持ちなさい、と教わったおかげ」と言う。
モデル業だけでなく、テレビ、ラジオ、雑誌、トークショー、大学講
師など多彩な分野に引っ張りだこ。守備範囲もファッション、所作、美容、健康、食……と多彩だ。MBSテレビ「ちちんぷいぷい」では安心安全な食材を使っ
た料理の紹介、ケーブルテレビJ:COMの番組「アンダンテ」では「アン流きれい術」が好評だ。 いま、時間を縫って茶道修行に力を入れている。「日本の
もてなしの文化の基本を知らないと、国際交流もうまくいかない」
(文:七尾隆太 写真:[上段]仲田千穂 [下段]七尾隆太)
[参考]
Jewel of Lotus~蓮の中の宝石~(オフィシャルブログ) http://ameblo.jp/ahn-mika
アン ミカのなりたい「ワタシ」Blog http://www.sportsoasis.co.jp/blog/38/index.html
モデルエージェンシー【モデルス】 http://www.models.co.jp/ladies1/ahn.html