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2009年8月10日 (月)

火と水の祭・天神祭 本宮(7月25日)

雨をも止める、天神祭りのパワー

7月25日は朝からすごい雨。天気予報によると近畿圏全体が、雨、雨、雨
13時30分から本宮祭がはじまり、15:30から陸渡御(りくとぎょ)が始まるけれど
14時の時点で本降りの雨。。。。

しかしなぜか、天気予報に反して14;30ぐらいに小ぶりになってきたのです。
「やはり天神祭パワーはすごい!!」と関心しつつ、天満宮へ。すると参道には
既にずら~りと人だかりが!大阪だけでなく観光客とおぼしき人もたくさん。さすがは
天神祭!

大勢の観客が見守る中始まった、陸渡御(りくとぎょ)はやはり圧巻。なんと約3000人の人が参加するそうで歴史絵巻のような光景が目の前に広がります。この陸渡御は大阪天満宮から大川までの約3キロを神様に年に1度氏地の平安をみていただくために行列をくんだのがはじまり。

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催太鼓から始まり、猿田彦、神鉾、地車、獅子舞、傘踊り……などなど。そんな中、とりわけ可愛いのが名物・傘踊り。小さい女の子たちも一生懸命花傘を手にしておどります。ちなみに親子そろって参加している人も多く、地元の人がこの祭りを本当に誇りにして参加しているんだなあと感じました。

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約130万人!!

約130万人― これ、天神祭の人出です。京都の祇園祭が約30万人(一晩)といえばそのすごさがわかるでしょうか?

天神祭のクライマックス、船渡御には約100隻ほどの船が大川を行き来し、その光景とだんじりの音、そして花火を楽しみに川のほとりには沢山の方があつまります。川辺には篝火がともり、街には独特な書体の提灯が。(※ちなみにこの提灯はわざと読めないようにかかれているんだとか)川面にゆらゆらと映る火が幽玄な雰囲気をかもし出し、天神祭りは“火と水の祭”と呼ばれるのも納得。

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船渡御は御神霊をのせた御鳳輦奉安船、催太鼓船や地車囃子船など神に仕える講社の供奉船、協賛団体や市民船などの神をお迎えする奉拝船などが行きかい賑やか。
協賛団体の船も趣向をこらしていて、例えば某ラーメンブランドはトレードマークのビックなひよこちゃんが船上に登場!橋をくぐるときたびにペコン、とへこむ様は観客に大うけでした。(※橋が低いため、通過する際にひよこに空気を抜き⇒入れて、を繰り返していたようです) 
Soosakajimekawasu1  ちなみに船渡御では船と船が行きかう際に、「うーちましょ」と大阪締めをかわすのがならわし。船と船だけでなく、船と川辺の人たちとも交わすこともあるんだそうです。 単に「参加する人、みる人」という境目があるというよりは一緒にお祭りを楽しむ祭が天神祭である、と専門家はいいます。

 重要なんです、「板」

 S_10 船団がひんぱん行きかう天神橋、天満橋などの橋の上には、こんな板がたてかけられています。実はこの板、大切な意味があるんです。なんだかわかりますか?
これは「橋の上から、人が神様ののった船をみおろす失礼がないように」するためなんです。花火も人が楽しむためではなく、神様にささげる花火。そして船と船が行きかうときに行われる大阪締めも、神様をのせた御鳳輦奉安船が通過するときだけは沈黙するのがならわしだそうで、お祭りのひとつひとつが「ああ、神事なんだなあ」と感じました。

成長する祭・天神祭

Sretsu2_2  ちなみにこの船渡御、いまでは天神橋のたもとから出発し川上である桜ノ宮方面にいくのですが戦前は川下の西区(現在の千代崎)にあるお旅所にくだっていました。
お旅所のある地域では神様をお迎えするためのお迎え人形が天神祭りが近づくと競うように飾られてお祭り気分を盛り上げたそうです。戦後、工業化に伴う地盤沈下により各所にあった橋げたも沈下。船が川下にいけなくなってしまい現在のように川上にすすむようになったとか。
天神祭は時代の変化にあわせてどんどんとその形をかえてきています。どんどこ船の宮入をはじめ、80年代にはギャルみこしがはじまったり、2000年には天神祭をガイドする「御伽衆」が登場したり、と氏子たちがあの手この手で天神祭を楽しみながらもりあげているのが面白い。千年もの歴史がある由緒正しい神事であると同時に、時代と人のエネルギーを吸収しながら変貌していく天神祭は、大阪の引き継ぐべき宝だなと感じました。

(ブランドコラボセンター 松岡京子)

■ 開催日
 7月24日宵宮、25日本宮
■ アクセス
   大阪天満宮
   大阪市北区天神橋2丁目1番8号
   地下鉄谷町線・堺筋線「南森町」4番出口より徒歩3分

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